不完全燃焼に終わった知念慶「チグハグな感じになってしまった」
「そこから『ボール持とう』となったけど、チグハグな感じになってしまった。早い時間帯にセットプレーで失点しちゃうと、用意したゲームプランがかなり難しくなると感じましたし、失点した後は相手のやりたいように好き放題にやられてしまった」
中盤でボールを持てず、デュエルの強みも出しきれない知念は不完全燃焼の45分間を強いられることになった。
となれば、指揮官は当然のごとくメンバー変更に踏み切る。後半頭に3枚替えに打って出たが、知念に代えて支配力と配球力のある樋口雄太というのは想定通りだった。
その樋口が流れを変えてくれるという期待も高まったが、後半開始1分も経たないうちに、背番号14はまさかのパスミス。これを奪った下田北斗に目の覚めるような60メートルのループシュートを決められ、スコアが0−3になってしまったのだ。
「鹿島は苦しい時にセットプレーで点を取れるチーム。0−2の時は全く気が抜けなかったけど、3点目はメチャクチャ大きかった」と古巣対戦だった昌子源も力を込めていたが、この一撃でほぼ勝負が決したと言っていい。
鹿島はこの後もターレス・ブレーネルや柴崎岳といった持ち駒を投入し、一矢報いようとしたが、結局は1点も奪えないままタイムアップの笛。完敗で天皇杯8強敗退という厳しい現実を突き付けられたのである。