「22歳は全然若くない」知性派MFの手応えともどかしさ
「自分の良さを伸ばしながらアベレージを上げたい。もっと安定感や強さを出して、真ん中にドシっと構えていられるようにならないと。それにプラスしてゴールやアシストがサッカー選手の価値を手っ取り早く上げるのはわかっているので、結果も求めたい。22歳は全然若くない。周りにいた選手の多くが海外でプレーしている年齢なので」
2年前、ともに日の丸を背負ってU-20ワールドカップを戦った高井幸大はトッテナム、松木玖生はサウサンプトンでプレーしている。ほかにも海外に戦いの場を移した選手は枚挙にいとまがない。
対して、山根はJリーグでプレーし続け、所属する横浜F・マリノスで残留争いに巻き込まれている。しびれるような緊張感のある戦いで得られる経験値は未来への血肉となる一方で、リスクを負うのが難しい状況でのびのびとプレーできない葛藤も伴う。
もともとチームとピッチを俯瞰する能力に長ける知性派MFのパフォーマンスはフォア・ザ・チームの精神が自然と色濃くなる。ここまでのプレーに一定の手ごたえを感じつつも、突き抜けきれないもどかしさが同居しているのかもしれない。
「プレータイムや試合に出ることに関してはこれまでの3年と比べても数字が増えている。内容的にも、成長を実感している部分があるし、試合に出ているからこそ感じられる部分もある。でも、それ以上にチームにとって何がベストなのかを常に考えながら、チームが良い方向にいくように日々やっていきたい」
出場時間だけを比較するならば、喜田拓也よりも渡辺皓太よりも、ジャン・クルードよりも長い。だからこそ影響力や存在感を高めたいのは当然だが、チーム事情がそれをさせてくれない。バランスやリスクマネジメントが優先になるのはボランチというポジションの性質上、仕方ない面もある。
おそらくは賢すぎる性格にも起因している。