「僕がサポーターだったら失望する」
それまでの今季ホームゲーム最多入場数を1万人近く上回る4万1221人の前で同じ神奈川のライバル、川崎フロンターレに屈した。順位こそ残留圏ギリギリの17位で変わらなかったが、残留争いをする中で勝ち点を積むことができなかった。
のちの2失点に直接関与したわけではなかったが、角田はDFとして重要な失点を防ぐというタスクを果たすことができなかった。
「僕がサポーターだったら失望すると思います。僕次第で勝てた試合だったと思うので、申し訳なかった」
だから試合後にブーイングを浴びたのも当然だと思った。ゴール裏へあいさつに行けば、ブーイングは音量を増していく。
だが、サポーターの声はブーイングから次第に応援歌へと変わっていった。
ブーイングも、「戦え横浜」というメッセージも、角田はじっとゴール裏を見つめながら聞いた。試合終了直後に上がらなかった目線は、斜め上を向いていた。
その目線に、角田はサポーターへのメッセージを込めていた。