9か月後に迫ったFIFAワールドカップ北中米大会(W杯)の予選が各大陸で行われている。出場枠が「32」から「48」に拡大されたことで、通年の大会よりも多くの代表チームにW杯出場の可能性が高まった。一方で出場が危ぶまれているチームもある。今回は、W杯出場に黄信号が灯る強豪国を紹介する。(※成績は2025年9月15日現在)[5/5ページ]
サウジアラビア代表

【写真:Getty Images】
監督:エルヴェ・ルナール
最新FIFAランキング:59位
W杯予選成績:3勝4分3敗(3位)
自国リーグの強化と代表チームの成長が比例しないことを証明しているのがサウジアラビア代表だ。
近年、クリスティアーノ・ロナウドやカリム・ベンゼマ、サディオ・マネらスター選手たちが続々とサウジ・プロフェッショナルリーグへと移籍している。
2025年のACLE(AFCチャンピオンズリーグエリート)決勝では、アル・アハリが川崎フロンターレに2-0で勝利して優勝を飾り、スコア以上に実力の差がハッキリとした試合だった。
ところが、クラブとは対照的に代表チームは苦戦が続いている。
アジア3次(最終)予選では日本代表と同組のグループCで2位のオーストラリア代表(勝ち点19)を大きく下回る勝ち点13の3位でフィニッシュ。イラク代表、インドネシア代表と同組の4次予選に回ることとなった。
前回大会では優勝したアルゼンチン代表に勝利するなど、着実に力をつけていたかと思われていたサウジアラビア代表。
しかし、国内リーグに海外の有力選手が続々と加入していることで、代表選手がそれぞれの所属クラブで居場所を失うという深刻な課題を抱えている。
特に顕著なのがGKで、9月に招集された4選手は全員が所属クラブではサブの扱い。
彼らの所属先であるアル・ナスル、アル・ヒラル、アル・アハリ、アル・イテハドにはいずれも外国籍の代表選手がゴールマウスを守っており、自国代表候補のGKが軒並み試合勘不足という異常事態に陥っている。
他のポジションにもスターの加入によって所属クラブで出場時間が限定的となっている選手も多い。
今大会は出場枠が増えているため、本大会出場の可能性は十分に残されているが、長期的な目線で見れば、国内リーグのあり方を改革する必要があるかもしれない。
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