「意識がちょっと薄れているんじゃないか」
「離脱して1か月くらい時間があったときに、分析やコーチと話していて、ゴール前の怖さだったり、得点を取る部分の意識がちょっと薄れているんじゃないかという話があって、それは自分でも思っていたところだった」
離脱期間は自らを見つめ直す時間になった。今季の公式戦で挙げた5得点のうち、2得点はゴール前に詰めて1タッチでゴールネットを揺らしたもの。ゴールに向かっていく意識の強さが出ている。
「離脱前はその手前の部分には自信を持っていたし、いい部分もあったのでそこも継続しつつですね」
今季のリーグ戦では13試合で4得点、直近ではYBCルヴァンカップも含めると公式戦4試合で3得点をマークしている。宮城の言うその手前の部分と、ゴール前の脅威を両立できるようになってきた。
13日のマリノス戦は、5か月前の苦い記憶を払拭するチャンスだった。開始4分に伊藤達哉のゴールが決まって川崎が先制に成功。57分には退場処分によりマリノスが1人少なくなり、エリソンがPKを成功させて62分に川崎がリードを2点に広げた。
72分、長谷部茂利監督は2人のブラジル人アタッカーを下げ、ラザル・ロマニッチと宮城をピッチに送り出した。
しかし、宮城の様子が少しおかしい。味方のパスのトラップが流れてタッチラインを割ってしまう。1度でなく2度も、だ。