「絶対的な自信があったので」川崎フロンターレで重要となる宮城天の存在
「PKは絶対的な自信があった。練習もしているし、PKが来たときの想定は常にできている。取った瞬間に決められると思った」
試合後に宮城はこんなことを言っていた。自分自身を誰よりも信頼している。それと同時に、手応えや課題をきちんと言語化する能力も備わっている。ギラギラ感と、自分を俯瞰する視点を併せ持つ。
マリノスに勝利した川崎は3連勝となり、首位との勝ち点差を7ポイントとした。残すは9試合だが、柏レイソル、京都サンガF.C.、サンフレッチェ広島との上位対決も残されている。
YBCルヴァンカップでも準決勝に駒を進めており、現時点で2つのタイトルの可能性を残している。一戦必勝態勢が続くことになるからこそ、勝負どころで決定力を持つ宮城の存在は重要になる。
川崎の右サイドには公式戦6戦連発中の伊藤達哉が、左サイドにはマルシーニョがいる。左サイドを得意とする宮城だが、ポジションへのこだわりはない。こだわりは別のところにある。
「チャンスがあればどこでも。右でも左でも真ん中でも、一番前でも、ゴールに近ければどこでもいい。点を決められたらいいと思っているので、それだけじゃダメな部分もありますけど、得点を決めることを求められて入っているので、練習からより強くアピールしています」
課題に正面から向き合う一方で、自らの武器への信頼を忘れない。その両立こそが、宮城の活躍を支えているのかもしれない。
(取材・文:加藤健一)
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