「変化しなければいけない時だと思い…」
「自分自身も変化しなければいけない時だと思い、覚悟を決めてチャレンジしようと思いました」
FC東京を通じて退路を断つ覚悟と決意をファン・サポーターへ届けた平川は、翌2023シーズンには熊本のキャプテンに就任。さらにリーグ戦で開幕から34戦連続フル出場を果たすなど、出場41試合で7ゴールをあげて、J2のベストイレブンに選出された軌跡がジュビロ磐田からのオファーを手繰り寄せた。
迎えた昨シーズン。出場26試合、プレータイム1561分とJ1におけるキャリアハイの数字を残した平川だったが、磐田は最終節でJ2への降格が決まった。直後に届いたのがヴェルディのオファーだった。
「J1でプレーしたいという思いが強かったところへ、ヴェルディからオファーをもらいました。その期待に応えたかったですし、自分自身、もっともっと成長して、いい選手になりたいと思ってきました」
長い年月をかけて、自分のなかでようやく膨らみつつあったJ1での大きな手応えをヴェルディで継続させていく。平川の決断は同時に、古巣・FC東京との東京ダービーという特別な一戦をも手繰り寄せた。
磐田時代もFC東京とは2度対戦して1勝1分けの結果を残し、平川自身も2試合ともに先発している。それでも緑色のユニフォームに袖を通し、味の素スタジアムでFC東京と対峙する一戦は特別だった。終了間際に喫した失点で引き分けた4月2日の第8節後。フル出場した平川はこんな言葉を残している。