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Jリーグ 3か月前

掃除から始まった軌跡。下田北斗が切り拓いたFC町田ゼルビアの新たな歴史。「幸運を引き寄せようと…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

「チーム内での競争は、どのチームでも常にある」

 専修大学からヴァンフォーレ甲府へ加入した下田が、プロのキャリアをスタートさせたのは2014シーズン。その後に湘南ベルマーレ、川崎フロンターレ、大分トリニータを経て2023シーズンに当時J2で、青森山田高校から異例の転身を遂げた黒田剛監督に率いられる町田へ完全移籍で加入した。

 セットプレーからの得点を重視した黒田監督のリクエストを受けて、強化部が白羽の矢を立てたのが左足に正確無比なキックを宿す下田だった。それでもチームはJ1昇格を果たした2024シーズンに仙頭啓矢に加えて、夏場には白崎凌兵、さらに日本代表経験者で最終ラインでもプレーできる中山雄太を獲得した。

 一転して最激戦区になったボランチで、FCソウル戦で先発したのは中山と今シーズンから新たに加入した前だった。それでも下田は「チーム内での競争は、どのチームでも常にあるので」とこう続ける。

「非常にいいライバル意識のもとでプレーできていますし、その意味でも実際に自分が出場したときに何ができるのか、という点をすごく大切にしています。年齢も重ねていろいろな経験もしていますし、そこで切れていたらなかなかうまくいかない。しっかりと自分に矢印を向けながら日々の練習を大事にしています」

 川崎に加入する前から憧憬の思いを抱き、2018シーズンからは同じチームで3年間にわたって時間を共有した中村憲剛氏の背中を、下田は「一緒にサッカーができたのは僕の財産です」と今も追いかける。

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