「もうちょっと前で受ける選手がいたら楽だろうな」

「僕、今季3点決めてるんですけど、全部がナオ（植田）のアシストなんで、ホットラインだと思います」と知念は目を輝かせたが、良好な関係性がゴールに直結しているのはいいことだ。

　苦しみながらも前半を1−1で折り返した鹿島。鬼木監督はここから主力を投入しようと考えていたのだろう。案の定、後半頭からターレスと柴崎を下げ、鈴木優磨と舩橋佑を投入。勝負を決めにいったのである。

　鈴木優磨が入った鹿島の前線は趣がガラリと変わった。前半はうまくボールを受けられず、ノッキングを起こしていたところもあったが、一気に攻撃が流れ始め、リズムも出てきたのだ。

「前半は『もうちょっと前で受ける選手がいたら楽だろうな』と思って見ていた。前の方のどこが空いているかがだいたい見えていたので、そこはうまく使えたかなと。

　それと、前半は喋れる選手がいなかったんで、チームとしての統一感が少なかったかなと感じますね」と鈴木優磨はコミュニケーションの課題を口にしたが、率先してアクションを起こせる背番号40がいるだけで自然とチーム全体がまとまる。そこは特筆すべき点だった。

　前向きな効果もあって、後半開始早々の8分、鹿島は2点目をもぎ取る。またも植田のロングパスからだった。