「やっぱりアカデミー出身として…」堀田大暉なりの矜持
みちのくダービーということもあって、サポーターだけでなく多くのアカデミー選手もこの試合に注目していることを堀田は分かっていた。試合前には、ユース選手やスタッフが来場し、アカデミー選手の利用する車輌の更新を目的としたクラウドファンディングへの協力を呼びかけていた試合でもあった。
「今までアカデミーからトップに上がってチームの勝利に貢献した選手が、最近は生まれてきたんですけど、なかなか生まれてこなかったところで、やっぱりアカデミー出身としてベガルタの勝利に貢献したいという思いは、他のチームでプレーしている時からいつか叶えたい夢ではあった。
アカデミーの子たちがどういう目で見てくれているか分からないですけど、僕がアカデミーにいた時にそうやって目指そうと思わさせてくれた存在に今、逆になれるように、今日勝ちましたけど、シーズン通して、そういう理想としてもらえるような選手になれるように頑張っていきたいかなと思っています」とアカデミーの選手たちへの思いを語った。
森山監督はアカデミー出身選手の矜持を持ってチームで活動してきた堀田がみちのくダービーで活躍できた意義をこのように語っている。
「アカデミーのクラウドファンディングも始まりましたけれども、マインドとかフィロソフィーを理解した中でこのみちのくダービーの重要性とか、そこに対しての気持ちの持って行き方はユースの時からやってきたと思います。これまで今シーズンも何回かGKプロジェクトなどで地域の子ども達とも触れ合うなどした時、堀田選手も子どもたちに『このベガルタのピッチでゴールマウスを守れる夢を持ってやってほしい』『このスクールに通った選手だよ』という話もしていたので、そういう意味では、将来ベガルタを目指すようなGKの子どもたちにとっても良い刺激になったんじゃないかなと思います」
こうして、みちのくダービーという大舞台で出場機会が回ってきたことをどう思ったか、堀田に問いかけてみた。
「今までの僕のキャリアを振り返っても、なんか『もってるな』というか、何かしらのタイミングのところで、試合に絡んでくるところは今までもあって、過去を遡っても、そういった時に負けたことが1回も無かったんです。福島でのプロデビュー戦も勝っていますし、岡山で最初に出た時も勝っていて、そういう自信はありました。仮に先制されても、粘り強く戦って、みんなならやってくれるというところもかなり信頼を寄せていたので、90分考えたら落ち着いてやれたかなと思っています」と語った堀田。
かなりの時間を要したが、30歳にしてついに仙台のトップチームデビューを最高の形で果たした堀田は、これからも故郷のために、そしてアカデミー出身の誇りを持って戦い続ける。
(取材・文:小林健志)
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