明治安田J1リーグ第31節、鹿島アントラーズ対セレッソ大阪が23日にメルカリスタジアムで行われ、3-1で鹿島が勝利した。中2日ということもあり、鬼木達監督は前節から先発メンバー4人を変更。5月3日以来となるリーグ戦の先発となった津久井佳祐は、その抜擢に応える活躍を見せた。
4か月ぶり先発の津久井佳祐が存在感
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鹿島の台所事情は依然として厳しく、少ないメンバーの中でのやりくりを強いられている。20日の浦和レッズ戦は5万3000人を超える大観衆が集まるビッグマッチとなり、心身ともに疲労の溜まるゲームとなった。
その浦和戦に右サイドバックで先発した濃野公人をセレッソ戦では一列上げ、鬼木監督は空いたポジションに津久井を起用。これはセレッソの左ウイングが個の打開力に優れるという側面があったと、25日の練習後の取材で鬼木監督は明かしている。
「相手の左サイドは誰が出てきてもそういうタイプですし、佳祐なら止めてくれるだろうなというところ」
津久井は小池龍太と濃野がともに戦線を離れていた10節から14節まで5試合連続で先発していた。ただ、2人が戻ってからはベンチを温める試合が多く、出場時間は激減していた。
それでも、この試合で鬼木監督を津久井の先発起用へと突き動かしたものがある。
「本当に意欲的で、サッカーを楽しんでいるというか、サッカーをしたくてしょうがないというのが伝わってくる」
出場機会が限られる中でも努力し続ける津久井を鬼木監督は、「魅力的な選手はチームに必ずエネルギーを与えてくれる」と評価していた。
「トレーニング(全体練習)が終わってからも課題を持ってやり続けている選手の1人で、それはたぶんチームメイトもずっと見ている。このタイミングで入ってくるのは自然だったのかなと思う」
連戦とセレッソとの相性という2つの要素に、津久井の努力し続ける姿勢が重なり、4か月ぶりの先発抜擢という決断が下された。そして、津久井がその期待に応えられたのも、普段の姿勢があってこそだった。
(取材・文:加藤健一)
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