望月ヘンリー海輝の攻撃参加は「逆に言ったらデメリットでもある」
「町田さんの特徴は斜めのボールで(望月)ヘンリー(海輝)選手の高さを生かして起点にする形です。彼が攻撃参加するところは、逆に言ったらデメリットでもあると思います。そこを上手く試合の中で突きながら、切り替えの早さで何度か須貝(英大)が彼の背中に入って、深い位置まで押し込んでいる場面が前半からありました。最後に望月選手が上がってこられなかったのは、それがジャブとして効いたのではないかと思います」
23日の試合は、京都は中2日だったのに対し、町田はAFCチャンピオンズエリートの関係で中6日だった。にもかかわらず京都は出場選手の総走行距離が125.1キロで、町田の118.6キロを上回った。京都のサイドバックは右の福田心之助も含めて「奪ったら一気に縦へ運び出す」プレーを頻繁に繰り出していた。
林はこう振り返る。
「ランニングに対してしっかりついて行くのは全員やっていたし、ウチはクロスを上げられても中はそんなにやられません。だからそんなに『ヤバい』という感じはなかったです。ただ回数が多かったので『何か起こるだろうな』というのもありました」
シンプルに京都の選手が練習からいい意識付けをされている、しっかり鍛えられているところをまず称賛するべきだろう。この1試合だけで町田がこれまで取り組んできたことをすべて否定するのも違う。8月6日の天皇杯ラウンド16では、町田が1-0で勝利している。
とはいえ「終盤の試合運び」「エリア内で身体を張る意識」「運動量」といったポイントで、9月23日の町田は京都を下回った。今季の町田は選手が入れ替わり戦術の幅も広がっている。しかし京都戦のような展開を勝ち切る「賢さ」「泥臭さ」がなければ、J1のトップに届かない――。分かりやすく課題を突きつけられた、秋分の日の悔しい同点劇だった。
(取材・文:大島和人)
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