Jリーグで3度の優勝を誇るサンフレッチェ広島では、これまで数多くの選手がプレーしてきた。その中で、最も市場価値が高かった“スター”は誰なのか。広島在籍時の市場価値が高かった選手上位5名を紹介する。(金額やデータは「transfermarkt」参照)[3/5]
ピエロス・ソティリウ(キプロス代表)

【写真:Getty Images】
生年月日:1993年1月13日
クラブ在籍時の最高市場価値:220万ユーロ(約3.7億円)
市場価値記録日:2020年8月10日
サンフレッチェ広島で市場価値が3番目に高かったのは、昨季まで所属していたピエロス・ソティリウだ。
220万ユーロ(約3.7億円)の最高市場価値を誇っていた。
キプロス代表のストライカーは、コペンハーゲンやルドゴレツなどの欧州クラブを渡り歩き、UEFAヨーロッパリーグ(EL)で通算8得点を記録した実績を持つ。
2022年8月、200万ユーロ(約3.4億円)の移籍金で広島に加入。この金額は当時のクラブ史上最高額とされている。
Jリーグデビューから2戦目のセレッソ大阪戦では、さっそくゴールを決めて周囲の期待を集めた。ただ、そのシーズンのリーグ戦の得点はこの1点にとどまっており、不完全燃焼に終わった感は否めない。
それでも、ピエロスを語る上で外せないのが、同年10月に行われたYBCルヴァンカップ(ルヴァン杯)決勝のセレッソ戦だ。
加藤陸次樹のゴールでリードを許す苦しい展開の中、後半アディショナルタイムに獲得したPKを決めて同点に追いつくと、終了間際のコーナーキックを右足で合わせ、劇的な逆転ゴールを決めた。
1週間前の天皇杯決勝ではPK戦の末に敗れていたうえ、過去8度のカップ戦決勝でことごとく涙をのんできたクラブにとって、この2ゴールは悲願のカップ戦初タイトルをもたらす歴史的瞬間となった。
その後は度重なる怪我に悩まされ、市場価値は100万ユーロ(約1.7億円)へと下降。しかし、ミヒャエル・スキッべ監督からの信頼は厚く、在籍2年間で公式戦66試合に出場し18得点を記録した。
長年シルバーコレクターの呪縛に苦しみ続けたクラブにタイトルをもたらした功労者として、今もサポーターの記憶に刻まれている。