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J2 2か月前

「これほどの才能の持ち主と…」RB大宮アルディージャに入閣したスチュワート・ウェバーとは何者か。欧州で評価された理由【コラム】

シリーズ:コラム text by 安洋一郎

RB大宮アルディージャで期待すること

 さて、ウェバーにとって初となる国外での挑戦がRB大宮アルディージャで始まった。

 彼が最も結果を残したノリッジと大宮には、就任時に国内リーグで2部という共通点がある。中・長期的な目標を達成するためには、2度のプレミアリーグ昇格を果たしたウェバーの手腕が試されるだろう。

 レッドブルグループのテクニカル・ディレクターであるマリオ・ゴメスは昨年10月の会見にて、3〜4年のJ1リーグ昇格、2030年までにタイトルを争うチームにするという目標を掲げていた。

 大宮にはU-20日本代表の主将である市原吏音のような、アカデミー出身でトップチームの主力を務める選手がすでにいる。クラブの長期的な視点で育成を強化しつつ、同時に昇格を目指してチームを短期的に強くする方法はノリッジ時代に培ったはずだ。

 外国人枠の違いやJリーグならではのフリートランスファーの多さ、昨今の若手選手が海外移籍する流れなどを踏まえると、日本での挑戦は決して簡単ではないだろう。ただ、完全に日本のスタンダードに適応する必要はない。

 ウェバーが大宮のフロントに入ったことは、Jリーグでは異例の人事ではあるが、AFC(アジアサッカー連盟)に視野を広げると、サウジアラビアの強豪クラブの大半は欧州で実績を残した人物をフロントに入れている。

 サッカー界も含め、良くも悪くも世界との距離感が近づいているのが現代社会の流れであり、独自の文化のようなものが薄れて平均化が進むことが予想されている。

 Jリーグも来年からは欧州に合わせたシーズン移行が予定されており、ますます距離が近づいている。その中でウェバーのようなヨーロッパで実績のある人材は、日本サッカー界全体においても貴重な存在だ。

 イングランドで結果を残した敏腕ディレクターは、大宮とJリーグにどのような変革を起こしてくれるのだろうか。

(文:安洋一郎)

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【了】
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