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J1 2か月前

「メソッドが必要」浦和レッズに何が起きていたのか? いまだ個の能力を活かせない組織「彼を孤立させてしまって…」【戦術分析コラム】

シリーズ:戦術分析コラム text by 編集部 photo by Getty Images

 前半戦は明治安田J1リーグで5連勝、夏場にも4戦無敗を記録し、なんとか優勝戦線に食らいついていた浦和レッズだったが、6試合を残して勝ち点差15ポイントとなり、タイトル獲得は絶望的となった。9月の失速はいかにして引き起こされたのか。選手たちの証言を交えながら、その原因に迫っていく。(取材・文:編集部)

苦境の9月。キーワードは「流動性」と「新加入FWの活かし方」

浦和レッズ

【写真:Getty Images】

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 浦和レッズにとって厳しい9月になった。JリーグYBCルヴァンカップの準々決勝で川崎フロンターレに第2戦で延長戦まで戦う激闘を繰り広げるも合計3-4で敗れ、リーグ戦は4試合を2分2敗と失速。その4試合は全てノーゴールでもあり、タイトル争いの機運を持ってスタートした1カ月だったが、結果は今季の無冠を決定的にするものだった。

 その4試合連続ノーゴールという事実からも攻撃面の課題が浮き彫りになる浦和だが、この9月のゲームでキーワードになったのは「流動性」と「新加入FWの活かし方」の2点だろう。

 川崎との初戦に中島翔哉を中心とした2列目を並べた浦和は、両サイドハーフが積極的に内側に入ってくる他、ボランチやサイドバックもボールの周辺に近接してプレーする姿が目立った。それまでの比較的ポジションを大きく変えずにウイングが幅を取ることの多い攻撃システムからはガラッと変わった印象の強いものになり、流動性の強くなったチームはサイドバックが中央でパスをつなぐ場面や、ボランチがタッチラインまで開くような場面も出た。

 また、川崎との第2戦では新加入の元スウェーデン代表FWイサーク・キーセ・テリンが途中出場でデビューした。前線で存在感を発揮するテリンは、金子拓郎のクロスに相手の前へ体を捻じ込むような強さを見せてゴールも奪った。

 この2試合に関しては得点に関する部分よりも自陣でのミスが敗戦の原因としてクローズアップされたが、その後のリーグ戦につながる要素を見れば浦和の後方がビルドアップの質を上げられずに相手のプレスに対して弱みを見せたことも挙げられる。

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