孤立するテリン。鹿島アントラーズに標的とされたのは…
そうして迎えた9月のリーグ戦は前述の通りの苦境となってしまった。
9月13日のガンバ大阪戦(0-0)はシーズン序盤から課題となるブロック型の守備を切り崩せない攻撃を露呈し、20日の鹿島アントラーズ戦(0-1)と23日の清水エスパルス戦(0-0)では、いずれも多くチャンスを作りながらゴールを欠いた。
この鹿島戦と清水戦は攻撃の流動性が良い方向に出た部分もあり、特に清水戦ではクロス、ショートパス、カウンターとゴールに迫るパターンも豊富だったが決定力を欠いた。このゲームに関しては攻撃が機能しなかったわけではなく、最後に決めるところだけの問題だったと言えるだろう。
一方で、鹿島戦は相手センターバックを突破した状態の決定機と言い切れるほどのビッグチャンスを多く作ったわけではなく、試合終盤にテリンへ幸運なボールアクションで訪れたチャンスをファインセーブで防がれたのが最大の得点機だった。
鹿島戦の失点は川崎との第2戦と同様にマリウス・ホイブラーテンから西川周作へバックパスを出すタイミングを狙われて強いプレスを受けたところからで、ダニーロ・ボザもサイドに追い込まれて強引に中央へ戻すパスでインターセプトをされるなど、浦和の後方部隊がターゲットにされた。
こうしたチーム状況を受け、27日の東京ヴェルディ戦(0-0)では、サミュエル・グスタフソンや中島、あるいはマテウス・サヴィオといった選手たちがボールを引き出そうと下がってくるプレーが目立ち、中盤までは流動的なポジション取りでボール支配率を高めたものの、前線が孤立する傾向を見せた。後半にテリンを投入するも流れの中から決定機を作ることができずに無得点で試合を終えた。