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J1 2か月前

「メソッドが必要」浦和レッズに何が起きていたのか? いまだ個の能力を活かせない組織「彼を孤立させてしまって…」【戦術分析コラム】

シリーズ:戦術分析コラム text by 編集部 photo by Getty Images

「メソッドが必要」「シーズン終盤に何を言ってるんだ」

 金子拓郎は「(サイドを)突破した時に中が1枚しかいないことが多い。逆サイドのウイングやボランチが1枚入っていくことも必要」と話した。

 ガンバ戦や鹿島戦とも共通するが、1点が欲しい後半にテリンを投入するも、守備ブロックを形成してくる相手のセンターバックに徹底マークをされる状況だっただけに「彼を孤立させてしまって、なんとかしてくれっていうボールだけだと難しい部分も絶対ある。距離感を近くして、空いたスペースに誰かが走り込むコンビネーションを増やさないとチャンスは増やせないと思う」と、現状に触れた。

 ヴェルディ戦の後半には、テリンのポストプレーから長沼洋一や早川隼平のシュートチャンスを作る場面もあった。即興性が高く、アクションが噛み合った時にはゴールに迫る形になるものの、それがチーム全体でどこまで共有されたものかという疑問符は、グスタフソンが9月の試合後に「メソッドが必要」という言葉を繰り返したことからも大きくなる。

 途中出場が増えてきた早川は「シーズン終盤に何を言ってるんだ、と思われると思いますが」と前置きしつつ、「チーム全員で共通認識を持って、もっと分かり合えたらいい」と話した。

 前線にボールを預けての即興性に頼る状況ながら少なくないシュート場面を作り出していることは、浦和の選手たちが個々に持つ能力の高さの証明と言える。一方、それを活かして攻撃を組織化できていないことが苦境の1カ月を招いた面があると言えるだろう。
 

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【了】

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