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J1 2か月前

「うちは僕がいるので」脇坂泰斗が川崎フロンターレで背負うもの。「ここ最近すごい研ぎ澄まされている」【コラム】

シリーズ:コラム text by 江藤高志 photo by Getty Images

明治安田J1リーグ第33節、京都サンガF.C.対川崎フロンターレが4日に行われ、1-1の引き分けに終わった。前節から続く上位対決はともにドロー。自らのパフォーマンスに手応えを感じているからこそ、脇坂泰斗は川崎を勝利に導けなかった悔しさが増幅する。(取材・文:江藤高志)

「うちは僕がいるので」その発言の真意

MF脇坂泰斗
【写真:Getty Images】

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 試合後、脇坂泰斗が絞り出すように口にした。

「勝ちたかったので、悔しいですし、勝てたゲームだと思うんで、より悔しいです」

 敵地での京都サンガF.C.戦は1-1のドロー。前半8分に伊藤達哉のゴールで先制しながらも追いつかれ、勝ち点を分け合う結果に。チームとして勝利を逃した悔しさを滲ませる脇坂ではあるが、彼個人のパフォーマンスは素晴らしかった。そんな自らのプレーについて脇坂は次のように語る。

「ここ最近すごい研ぎ澄まされているので、取られる気がしなかったので」

 京都の特徴と言うと局面での強度の高い守備。そうやってボールを奪いペースを握り、今季の優勝争いに食い込む成績を残してきた。そんな京都に対し、川崎フロンターレはいかにしてボールを運ぶのかが問われていた。

 そういう意味で、試合の行方を左右していたのが脇坂であることに間違いはない。そんな京都との対戦において脇坂は自らの役割を次のように振り返る。

「京都さんは、1対1の局面をより多く作って、そこではめてっていうサッカーでこの順位にいるので」

そう話す脇坂は「ただ」と前置きして「うちは僕がいるので」と言葉をつなげた。そして「立ち位置のところで(脇坂自身が)ビルドアップの逃げ道になったりだとか、相手がマンツーマンに行きづらいような立ち位置だったりとか、そういったところを意識して、やりました」と振り返る。

 この「うちは僕がいるので」という言葉に、彼の自負と責任感が凝縮されているのは間違いない。そして相手があえて「マークにつきづらい」と感じるような立ち位置を取り続け、京都の守備組織に混乱を生じさせた。そして味方選手に対し顔を出し続けることで、ボールを引き出し、チーム全体のビルドアップの逃げ道となった。

 特にボランチの橘田健人と河原創に対しては「どんどん俺につけてくれっていうこと」を言い続けていたのだという。

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