「ずっとチャンスを窺っていた」
「1対1になるイメージはできていました。最後にワンタッチしたところで冷静に距離を詰めることできたことが良かったと思います」
ひと仕事を終えた後にはDF鈴木大輔が“よくやった”と言わんばかりに若原の背中をポンポンと叩き、再びエナジーを注入。「練習からコミュニケーションを取っていましたし、彼のキックのところで上手くつなぐこと、また喋ってくれていたので問題なくできていたと思います」と語った。
終盤戦での勝ち点1差で迎えた大一番。試合2日前に先発を告げられた若原だったが「ずっとチャンスを窺っていた中で、色々ありながらやっと復帰できたのはうれしいこと。しかも古巣相手にプレーできたことは幸せだと思っています」と想いを噛み締めた。
今シーズン、千葉に完全移籍で加入すると不退転の覚悟をもって臨んだ。
しかし、1月の沖縄キャンプで右膝外側半月板損傷という全治5ヵ月の大怪我を負い長期離脱を余儀なくされ「予想外の怪我で『何でこうなったんだろう…』とリハビリ期間にずっと思っていました」と苦しい胸の内を明かす。
チームは若原の抜けた穴を埋めるため徳島ヴォルティスで活躍したGKホセ・スアレスを緊急補強。GKはフィールドプレーヤーと違い、アクシデントや余程のことがない限り途中出場することはほとんどない。1試合でも外れると戻ってくることが難しい。
そんな世界で、ピッチ外からチームの躍進とホセ・スアレスのプレーを見ながら治療とリハビリに励んできた。焦りや不安、心が折れそうな時期もあったことだろう。