「腐らずやれて良かった」
それでも若原が視線を落とすことはなかった。「(スタンド)上から試合を見ていてチームに刺激をもらっていましたし、ピッチに戻ってプラスに働くようにプレーしようと。リハビリ期間、腐らずやれて良かったと思います」と深い思いを滲ませた。
過去は変えられないからこそ、自身の歩むべき道を真っ直ぐに見つめると、全体練習に合流してからも1日1日を大切にトレーニングしてきた。
「自分がまったく動けない中で、家族が引っ越しをしてくれましたし、親も助けに来てくれたりと色々な人に助けられました。リハビリ中はメディカルスタッフが、しっかりとケアをしてくれたり、折れそうな時はチームのみんながイジって励ましてくれた。そういったことが力になったと思っています」と感謝の言葉を口にした。
チームを勝たせたい気持ちが前面に出る。だが、その思いとは裏腹に45分にアウェイチームがスコアを動かす。千葉が仕掛けたカウンターが不発に終わると、カウンター返しで得点を奪われた。エジガル・ジュニオのクロス性のシュートがファーポストを叩くと、そのままゴールネットを揺らし前半が終了した。
0-1で後半を迎え1点のビハインドを追いかける千葉は、若原もビルドアップに参加し積極的に仕掛けていくが、決定機を作り出せない。
66分にマテウス・ジェズスの左足シュートをキャッチしてピンチを防ぐが、72分に左サイドを崩されMF翁長聖のクロスにMF松本天夢がヘディングで突き刺し、千葉にとって痛すぎる追加点を奪われた。