鹿島アントラーズは、これまで数多くのタイトルを獲得してきたJリーグ屈指の名門クラブである。「常勝軍団」と呼ばれ、黄金期を築いた彼らの歴史の中で、特に強さを発揮したシーズンはいつだったのだろうか。今回は「強い鹿島」を体現したシーズンをフォーメーションとともに紹介する。[2/5ページ]
2000シーズン
監督:トニーニョ・セレーゾ
主な獲得タイトル:Jリーグ年間優勝、Jリーグカップ優勝、天皇杯優勝
鹿島アントラーズの長い歴史の中でも、2000シーズンの国内三冠達成はひときわ眩い輝きを放っている。
この年の最大の特徴は、トニーニョ・セレーゾ監督のもとで“黄金世代”と呼ばれた若手選手たちが一気に台頭し、チームの中核を担う存在へと成長したことだ。
中盤の構成はまさに圧巻だった。
小笠原満男がボランチとして高い守備強度を担保しながら正確な長短のパスを供給し、攻守の起点として機能。本山雅志は卓越したテクニックと柔らかなタッチでサイドを切り裂き、試合の流れを変える存在となった。
そして、中田浩二がその間でバランスを取り、チームの安定感を支えた。
さらに、秋田豊やビスマルクといった経験豊富なベテラン勢も健在。新進気鋭の若手と円熟味を増したベテランが融合したこのチームは、爆発力と勝負強さを兼ね備えていた。
リーグ戦1stステージでは8位フィニッシュとなった鹿島だったが、2ndステージでは開幕6連勝など、圧倒的なパフォーマンスを披露。最終節に2位・柏レイソルからドローで勝ち点1を奪い、2ndステージ優勝を果たした。
勢いそのままに、鹿島は年間優勝を決めるチャンピオンシップでも勝負強さを見せる。
横浜F・マリノスとの初戦を引き分けると、国立競技場での第2戦でマリノスを3-0で粉砕。3回目のリーグ優勝を成し遂げた。
さらに、ナビスコカップ(現YBCルヴァンカップ)、天皇杯も制して、史上初となる三冠も成し遂げている。
これはJリーグ史上初の快挙であり、この偉業をもって「常勝軍団」という異名は揺るぎないものとなったと言えるのではないか。
クラブのアイデンティティを確固たるものにした重要な1年だ。
●基本フォーメーション
▽GK
高桑大二朗
▽DF
名良橋晃
秋田豊
ファビアーノ
相馬直樹
▽MF
熊谷浩二
小笠原満男
中田浩二
ビスマルク
▽FW
柳沢敦
鈴木隆行
