鹿島アントラーズは、これまで数多くのタイトルを獲得してきたJリーグ屈指の名門クラブである。「常勝軍団」と呼ばれ、黄金期を築いた彼らの歴史の中で、特に強さを発揮したシーズンはいつだったのだろうか。今回は「強い鹿島」を体現したシーズンをフォーメーションとともに紹介する。[3/5ページ]
2009シーズン
監督:オズワルド・オリヴェイラ
主な獲得タイトル:Jリーグ優勝、FUJI XEROX SUPER CUP優勝
2009年、鹿島アントラーズはJリーグ史に永遠に刻まれる偉業を成し遂げた。
それが史上初のリーグ3連覇である。
2007年の大逆転優勝、2008年の底力でつかんだ連覇に続き、この2009シーズンは、まさに“未知の領域”への挑戦だった。
オズワルド・オリヴェイラ監督のもと、チームは序盤から高い完成度を見せる。
開幕戦で浦和レッズに2-0で勝利すると、第8節のヴィッセル神戸戦からは怒涛の8連勝。常勝軍団らしい強さで他を圧倒した。
しかし、夏の終盤から流れが一変する。
第24節の大宮アルディージャ戦を皮切りに、第28節アルビレックス新潟戦までまさかの5連敗。首位から転落し、クラブ史上でも稀にみる苦境に立たされた。
それでも、チームは崩れなかった。
第29節ジュビロ磐田戦で連敗を止めると、第30節ジェフユナイテッド千葉戦で7試合ぶりの勝利。第32節京都サンガF.C.戦ではついに川崎フロンターレを抜き、首位を奪還する。
そして最終盤、王者の意地が火を吹く。リーグ戦ラスト5試合を怒涛の5連勝で締めくくり、見事3年連続のリーグ優勝。前人未到の「三連覇」を成し遂げた。
「成績や数字上の強さ」という観点では、2007・2008シーズンの方が強いチームであると言えるかもしれない。
しかし、2009シーズンの鹿島は、「勝者のメンタリティ」が漂うタフなチームであり、不振でも決して揺るがない純粋な強さがあった。
●基本フォーメーション
▽GK
曽ヶ端準
▽DF
内田篤人
岩政大樹
伊野波雅彦
新井場徹
▽MF
野沢拓也
小笠原満男
中田浩二
本山雅志
▽FW
興梠慎三
マルキーニョス
