サンフレッチェ広島は、独自のスタイルと一貫した哲学をもとに、多くの若手を育てながら結果を残し続けてきた、日本屈指の育成型クラブだ。とりわけ、2012年の初優勝から4年間で3度のJ1制覇を果たす黄金期を築き、国内屈指の強豪としてその名を刻んでいる。そんなクラブの長い歴史の中で、圧倒的な強さを発揮したシーズンはいつだったのか。当時のフォーメーションとともに紹介する。[4/5ページ]
2015シーズン

サンフレッチェ広島、2015シーズンの基本フォーメーション
監督:森保一
主な獲得タイトル:2ndステージ優勝、年間優勝
2012、2013シーズンのリーグ連覇で黄金期に突入していたサンフレッチェ広島。3連覇への期待が高まった2014シーズンはまさかの8位に終わり、クラブは雪辱を胸に2015シーズンへと挑んだ。
他チームからの徹底マークにより、思うように勝ち点を積み上げられなかった前年の反省を踏まえ、クラブはヴァンフォーレ甲府から佐々木翔、徳島ヴォルティスからドウグラスを獲得。ピンポイント補強によって戦力に厚みを加えた。
一方で、攻撃の柱として黄金期を支えてきた石原直樹と高萩洋次郎が退団。新たに加わったドウグラスはJ1での実績が乏しく、一部では不安視する声も少なくなかった。
ドウグラスは開幕戦で得点を挙げたものの、広島特有のシャドーのポジションに当初は苦戦。それでも2ndステージに入ると一気にギアを上げ、16試合で15得点という驚異的なペースでゴールを量産し、最終的にはベストイレブンにも選出されるまでに成長を遂げている。
また、森保一監督の采配も冴え渡った。
エースの佐藤寿人に相手ディフェンス陣との駆け引きを徹底させて相手を疲弊させ、後半途中からスピードが武器のスーパーサブ浅野拓磨を投入するという必勝パターンを確立。チームは2ndステージを見事に制した。
このシーズンはアウェイでの戦いにめっぽう強く、13勝3分け1敗という驚異的な成績を残している。
年間王者として挑んだJリーグチャンピオンシップではガンバ大阪と激突。アウェイでの第1戦は2度のリードを許す苦しい展開だったが、アディショナルタイムに2点を奪って劇的な逆転勝利を飾る。
ホームでの第2戦では浅野の得点が2戦合計の決勝点となり、年間優勝を勝ち取った。
さらに、クラブ史上2度目の挑戦となったFIFAクラブワールドカップでは、準決勝でアルゼンチンの名門リーベル・プレートに0-1で惜敗したものの、3位決定戦ではアジア王者の広州恒大を撃破。世界3位という堂々たる結果でシーズンを締めくくっている。
●基本フォーメーション
▽GK
林卓人
▽DF
塩谷司
千葉和彦
水本裕貴
▽MF
森崎和幸
青山敏弘
ミキッチ
柏好文
柴崎晃誠
ドウグラス
▽FW
佐藤寿人