これまで多くの外国人監督がJリーグクラブを率いてきた。チームを成功へと導いた名将もいれば、その一方でクラブを混乱や崩壊の危機に直面させた指揮官もいる。今回は、Jリーグで指揮を執りながらも、期待に応えられず残念な結末を迎えた外国人監督を紹介する。[5/5ページ]
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ガジ・ガジエフ(サンフレッチェ広島/ロシア)

【写真:Getty Images】
生年月日:1945年10月28日
在籍期間:2002年2月~同7月
ロシア人指揮官のガジ・ガジエフは、サンフレッチェ広島でほとんど結果を残せないまま短期間で去ることとなった。
前任のヴァレリー・ニポムニシ監督は、家族の事情を理由に突如退任。後任として招聘されたガジエフは、ヴァレリーの推薦という形でチームに迎え入れられた。
就任当初は一定の期待が寄せられたものの、状況は早くも一変する。
ガジエフは、自身の戦術に適さないと判断したスティーブ・コリカやオレグ・パシニンなど、それまで主力を担っていたタレントを構想外とする決断を下し、選手層に不安を抱えたままシーズン開幕を迎える。
この判断が後の混乱の伏線となった。
チームはリーグ戦序盤から連敗を重ね、低迷状態に陥る。
さらに、クラブが若手選手の育成を重視してチーム作りを進めようとしていたのに対し、ガジエフは即戦力選手の補強を求めるなど、方針のズレが露呈した。
こうした意見の食い違いが、チームの混乱をさらに深めることに繋がっていく。
結局、リーグ戦では2勝1分5敗と振るわず、親族の急病を理由に帰国し、事実上の解任が決定。しかし、その後も低迷から脱却できず、クラブは史上初のJ2降格を経験することになってしまった。
前任の突然の退任によって短期間で後任を選ばざるを得なかった事情もあったとはいえ、ヴァレリーの推薦という単純な理由だけでガジエフを指揮官に決めてしまったことは少々短絡的だった。
それが、この年はクラブに大きな代償を払わせる結果に繋がってしまった。
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【了】