Jリーグの「オリジナル10」を構成する名門・名古屋グランパス。「リーグのお荷物」と呼ばれてきた過去を乗り越え、数々のタイトルを獲得してきた。その長いクラブの歴史の中で最も強かったシーズンはどの年だろうか。今回は、名古屋の歴史の中で特に輝かしい結果を残したシーズンをピックアップして紹介する。[5/5ページ]
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2021シーズン
監督:マッシモ・フィッカデンティ
主な獲得タイトル:YBCルヴァンカップ優勝
堅守速攻。それは近年のグランパスを象徴する言葉だ。そのスタイルを確立したのが、マッシモ・フィッカデンティ政権下の2021シーズンだった。
フィッカデンティ監督の下でチームは圧倒的な守備力を発揮。丸山祐市と中谷進之介のセンターバックコンビ、最後尾にはGKミッチェル・ランゲラックが構え、開幕6連勝・10試合連続無敗を記録した。
第10節で初黒星を喫するまでに許した失点は第1節のオウンゴールのみ。無失点継続時間「823分」というリーグ記録は、その堅牢さを象徴している。
リーグ優勝争いに加わっていた名古屋だが、転機となったのは首位・川崎フロンターレとのリーグ2連戦だ。
AFCチャンピオンズリーグ(ACL)の影響で4月末と5月頭に組まれた首位攻防で、2位の名古屋はそれぞれ0-4、2-3と大敗。当時リーグ最強の「盾」は、川崎の圧倒的な攻撃力の前では通用せず、押し切られてしまった。
フィッカデンティ監督が新型コロナウイルス感染の影響で指揮を執れなかったことも不運だった。
その後は主将・丸山が長期離脱となるなど、チームとして過密日程の影響を受け、勝ち点を取りこぼす試合が増えていった。
それでも守備の強度は最後まで維持した。無失点試合数は「21」まで伸び、総失点数「30」はリーグ2位の少なさだった。
一方で総得点「44」はリーグ9位タイにとどまり、夏に獲得したポーランド代表FWヤクブ・シュヴィルツォクのハイパフォーマンスをもってしても、攻撃面の物足りなさを解消できなかった。
一方のカップ戦では、堅守が確かな成果をもたらす。JリーグYBCルヴァンカップで決勝に進出し、セレッソ大阪を2-0で破ってクラブ史上初優勝を達成。稲垣祥が大会得点王と大会MVPを獲得している。
1995年の天皇杯制覇から26年を経て、ついにJリーグの主要3タイトルをすべて揃えたシーズンとなった。
▽GK
ミッチェル・ランゲラック
▽DF
吉田豊
丸山祐市
中谷進之介
宮原和也
▽MF
相馬勇紀
稲垣祥
米本拓司
マテウス
▽FW
柿谷曜一朗
前田直輝
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