「JFA・Jリーグ特別指定選手制度」は現在、受入先のJクラブにプロ選手として加入することが内定していることを条件としている。しかしそれ以前は、受入先クラブへの加入が内定せずとも、特別指定選手としてプロクラブ入りする例もあった。それゆえに、必ず受入先クラブでプロとしての道を歩むとは限らなかった。今回は、実は特別指定選手としてプレーしていたクラブではなく、他クラブでプロ入りした主なJリーガーを紹介する。
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DF:岩政大樹(いわまさ・だいき)

【写真:Getty Images】
生年月日:1982年1月30日
登録先(特別指定選手):FC東京
加入先:鹿島アントラーズ
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Jリーグ屈指のセンターバック(CB)として名を馳せた岩政大樹について、多くのファンはリーグ3連覇を達成した鹿島アントラーズ時代をイメージするだろう。
だが、東京学芸大学在学中に特別指定選手としてプレーしたのがFC東京だったという事実を覚えている人はあまり多くないかもしれない。
東京学芸大学在学時、岩政は関東大学リーグ1部の新人王や全日本大学選抜に選出されるなど、大学サッカー界を代表するCBとして注目を集めていた。
3年時にはアテネオリンピック(五輪)出場を目指すサッカーU-22日本代表にも参加。各所での活躍が評価されたことにより、2003年5月にFC東京に特別指定選手として加入を果たす。
しかし、大学を卒業した岩政が2004シーズンに加入したのは鹿島だった。
当時、FC東京には茂庭照幸・ジャーンという鉄壁のCBコンビがおり、大学サッカーNo.1の呼び声が高かった岩政であっても、レギュラー入りは相当高いハードルだったことが予想される。
また、鹿島入りの背景には、元々教員志望であり、現役引退後は監督として活躍している岩政らしい考えもあった模様だ。
岩政は公の場で、“常勝軍団”が創り上げられるプロセスに対する興味を口にしており、この「チーム作りへの探求心」がキャリア選択に大きな影響を与えたことが容易に推察できる。
勝利の欲求が特別指定選手として受け入れてくれたクラブへの恩義を上回った時、岩政の心は鹿島一本に絞られたのだろう。
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