若くして才能を評価された選手でも、長くキャリアを続けられるとは限らない。ケガやプレッシャーなど、様々な理由でプロとしてのキャリアを早期に終えた選手もいる。今回は、かつて天才と称されながら、期待通りのキャリアを送れなかった日本人選手たちをピックアップして紹介する。成績は『transfermarkt』を参照。[5/5ページ]
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FW:井坂美都(いさか・みと)
生年月日:1976年1月25日
主な在籍クラブ:浦和レッズレディースFC、プリマハムFcInterNewsくノ一/伊賀FCくノ一
井坂美都は、まだ「なでしこジャパン」という呼称が定着する前の時代に、日本女子サッカー界を牽引したフォワードである。
井坂は1994年に浦和レッズレディースFCへ加入すると、ルーキーイヤーに新人賞を受賞。身長156cmと小柄ながら、スピードとテクニック、得点感覚で周囲を圧倒した。
1997年にサッカー日本女子代表デビューを果たし、1999年にはリーグ得点王とMVPの個人タイトルを獲得。女子サッカー黎明期における中心選手の一人だった。
そんな井坂のキャリアのターニングポイントとなったのは2002年だった。アジア競技大会に出場した際、相手選手との接触で右膝前十字じん帯を断裂し長期離脱となった。
その試合で井坂と交代で出場したのが、当時大学生だった丸山桂里奈だった。
翌年、丸山が代表戦で6ゴールを挙げて定着したことで、井坂はポジションを失う形となった。
2018年にはTBSの番組で2人が再会。丸山は後日、自身のSNSで改めて井坂への憧れを述べ、2011 FIFA女子ワールドカップ(W杯)ドイツ代表戦戦の決勝弾を振り返った。
「私のドイツ戦のゴールは、美都さんのプレー、分身ではないですが本当にずっと憧れの美都さんを追いかけていたので、あのゴールは美都さんを彷彿とさせるゴールだったと思います」
井坂は2007年に現役を引退。その後は指導者として活動を続け、現在はサッカースクールで子どもたちを指導している。女子サッカーの土台が築かれる前の時代を戦い抜いた、まさにパイオニアの一人である。
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