明治安田J1リーグは第35節を終え、いよいよ大詰めとなってきた。今季は例年以上に混戦模様であり、監督の力量の差も勝敗にかなりのウエイトを占めているように感じられる。今回は、今季のJ1リーグで思うような成績を残せなかった監督を5人ピックアップして紹介する。[5/5ページ]
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入江徹

【写真:Getty Images】
監督就任:2024年8月
所属クラブ:アルビレックス新潟
今季リーグ戦成績:4勝11分20敗(20位)
アルビレックス新潟は入江徹の監督就任によって、事態をさらに悪化させることとなってしまった。
2022シーズンにJ2を優勝し、2017シーズン以来6シーズンぶりにJ1の舞台に帰ってきた。
松橋力蔵監督による徹底的なパスサッカーのもと、2023シーズンはリーグ10位でフィニッシュした。
翌2024シーズンはYBCルヴァンカップ決勝まで進出し、名古屋グランパス相手にPK戦までもつれた末に敗れはしたものの、パスサッカーの哲学を貫いてJ1の舞台で戦い続けていた。
シーズン終了後、松橋は新潟の監督を退任。新たな監督には樹森大介が招聘された。
このシーズンオフには、守護神の小島亨介、攻撃の核だった長倉幹樹らが他クラブに移籍している。
目立った補強もなく、樹森は今季、J1残留を目標に戦うこととなった。
大方の予想通り、新潟はシーズン序盤から苦しみ、開幕8戦勝利なしに終わると、その後も低迷。
やはり主力流出の影響は大きく、浮上のきっかけをつかむことが出来ないまま、6月末に樹森監督の解任が決定している。
解任された同氏の代役として新たに指揮官の座に就いたのが、コーチとして樹森をサポートしていた入江徹だった。
しかし、フロント陣が下したこの決断は裏目に出てしまった。
入江は初陣となった第22節・FC町田ゼルビア戦から敗北を重ね、勝ち点をつかみ取ったのが就任5試合目の川崎フロンターレ戦。その後も勝利から遠ざかる一方だった。
いわゆる「解任ブースト」を狙った新潟のフロント陣にとって、この事態は予想外だったかもしれない。負の連鎖は止まることを知らず、夏の移籍期間では主力が相次いで退団した。
戦闘力が大幅にダウンした同クラブはリーグ最下位を独走し、第35節の結果を受けJ2降格が決定した。入江監督が指揮を執ってから、チームは14試合で4分10敗と樹森時代よりも成績を落としてしまった。
樹森を解任したのであれば、入江の成績は看過されるものではないかもしれない。J2から立て直しを図る新潟は、監督人事でどのような決断を下すのだろうか。
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