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コラム 3週間前

「真司君とあと5点ですか…」サッカー日本代表、南野拓実に満足感はない。W杯の苦い記憶を、繰り返さぬために【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by 田中伸弥

 サッカー日本代表は14日、豊田スタジアムでガーナ代表と対戦し、2-0で快勝をおさめた。南野拓実は10月のブラジル代表戦に続いてキャプテンマークを巻き、この試合のファーストゴールをあげた。2戦連発弾を決めた“新リーダー”は偉大な先輩の背中を見据えつつ、W杯への地道な態度を貫いた。(取材・文:元川悦子)[2/2ページ]
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「真司君とあと5点ですか…」

 南野が2015年10月のイラン代表戦で初キャップを飾った頃、代表のエース格だった本田圭佑の37点、香川真司の31点にはまだ届いていない。

 だが、長く絶対的1トップと位置づけられた大迫勇也を抜いたことは大きな意味がある。名実ともに現森保ジャパンの看板アタッカーと言うに相応しい風格を備えたと言っていいだろう。

「真司君とあと5点ですか…、どうっすかね。(追いつくのは)なかなか難しいと思いますけど、ゴール数より重要な試合でのゴールっていうのが僕にとっては大切。それはW杯の中での一発かもしれないし、そのためにしっかりコンディションを維持してやっていけばいいと思います」

 本人に満足感はない。2022年カタールW杯でスタメンから外れ、クロアチア戦でPKを外したことを忘れたことはないからだ。

 今では多くの人が忘れてしまっているかもしれないが、南野は第2次森保ジャパン発足後、2023年10月シリーズで復帰するまで選外だった。

 ドイツに2度目の白星を飾った同年9月のアウェイ戦にも帯同しておらず、一時は「もう代表は難しいかもしれない」という見方もあったほどだ。

 そこから不死鳥のように蘇ることができたのは、W杯アジア最終予選で3ゴールを含めた代表での地道な実績とクラブでの活躍が大きい。

 特にモナコではザルツブルク時代の恩師であるアドルフ・ヒュッター監督の下で本来のキレと鋭さを取り戻した。

 しかしながら、モナコは先月、セバスチャン・ポコニョーリ監督体制へ移行。南野も10月以降は毎試合スタメンで出ているわけではない。

 北中米W杯までの7か月間に不安定な立場になってしまったら、カタールW杯の二の舞にならないとも限らない。クラブでもう一段階ステージを引き上げることが肝要なのだ。

 そのためにも、11月シリーズで継続して結果を出し、布石を打ってほしいところ。

 18日のボリビア代表戦はベンチスタートが濃厚だが、日本を勝たせる新リーダーの存在価値をより高められれば理想的。背番号8のさらなる進化が非常に楽しみだ。

(取材・文:元川悦子)

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【了】
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