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「“スーパーヘンリー”が帰ってきた」FC町田ゼルビア、望月ヘンリー海輝が見せた120分間の一挙手一投足。「その場所で全力でやることが…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Noriko NAGANO

 FC町田ゼルビアは16日の天皇杯JFA第105回全日本サッカー選手権大会・準決勝でFC東京を延長戦の末2−0で撃破した。その大舞台で強烈な存在感を示したのが、日本代表でも注目を集める望月ヘンリー海輝だ。持ち味の高さと強さに、成長著しいメンタリティが加わった充実の120分。クラブ史上初のタイトル、そしてその先に見据えるワールドカップへ、望月は着実に歩みを進めている。(取材・文:元川悦子)[2/2ページ]
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「今日は“スーパーヘンリー”が帰ってきた」

「『誰でも止めちゃうヘンリー』の時と、『今日ちょっと自信がなさそうだな』という時がありますけど、今日は“スーパーヘンリー”が帰ってきた」と絶賛。延長前半11分に野澤零温が抜け出した際、望月がブロックしたシーンを例に挙げ、「彼のフィジカルだったり気持ちが出ていた。あれを止めてくれたのは本当に助かりました」と心からの感謝を口にした。

 この試合の120分間の一挙手一投足は、現在活動中の日本代表DF陣に引けを取らないレベルだった。

 望月本人は町田のトレーニングの傍ら、14日のガーナ代表戦をテレビ観戦。「身体能力の高い選手に対しても、みんなが常に上回っていった結果、2−0につながったと思う。クオリティの高さを感じました」と試合の印象を語っている。

 とりわけ、2つ年下の新星・鈴木淳之介に対しては「技術的な面もそうですし、あの落ち着き、対人の強さは年齢関係なしに本当にすごいなと思いました。

 先月、1回話したんですけど、『緊張するの?』と聞いたら『いや』と。バリバリ緊張するような感じじゃなかったんで、すごいなと思いながら見てましたね」と、望月は感心しきりだった。

 確かに望月は鈴木ほど強心臓ではない。

 2024年9月に初めて代表招集された時はガチガチに固まっていた姿が印象的だったが、今年に入って活動回数を重ねるごとに、メンタル的な余裕も生まれつつある。そういった心身両面の成長がこの天皇杯準決勝にも表れていたと言っていい。

「自分はそこはあんまり意識していなくて…」

 この勢いで、1週間後のファイナル・ヴィッセル神戸戦も制して初タイトルを手にすれば、FIFAワールドカップ2026(W杯)北中米大会行きにも大きく前進するだろう。

「優勝がアピールにつながる? 自分はそこはあんまり意識していなくて、結果的に呼ばれるか呼ばれないかというものなので、ゼルビアとして目指している目の前の試合を勝ち取ることが一番という考えですね。

 次の神戸はなかなか難しい相手。ここまで来たからには自分たちが目指してきたものを取りたい。自分がその力になれたらと思っています」

 “スーパーヘンリー”がFC東京戦のパフォーマンスをベースに、さらに基準を引き上げていけば、神戸の大迫勇也や武藤嘉紀らに仕事をさせることはないはず。

 そこまでの超越した存在になれれば、2026年夏の大舞台も自ずと近づいてくる。グングン成長を続ける望月にはまさに期待しかない。1週間後の決勝が本当に楽しみだ。

(取材・文:元川悦子)

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【了】

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