目下、J1リーグで優勝争いを演じる鹿島アントラーズ。今季開幕前に的確な補強を行い、夏の移籍市場でも積極的な動きを見せた。2016年以来のリーグ制覇に向けて、本気度の高さが窺える。今回は、優勝争いの原動力となっている補強選手をランキング形式で紹介する。[2/5ページ]
——————————
4位:エウベル
生年月日:1992年5月27日
今季のリーグ戦成績:10試合1得点1アシスト
エウベルは夏の移籍市場で横浜F・マリノスから鹿島アントラーズに加入した。
今年5月に33歳を迎えたベテランアタッカーは、加入直後からクオリティの高さを発揮している。
1-1の引き分けに終わった8月16日のアビスパ福岡戦で鹿島デビュー。後半途中からの出場だったが、要所で強さとテクニックを見せた。
87分にはアタッキングサードからドリブルで運ぶと、バイタルエリアでFKを獲得。さらにアディショナルタイムには濃野公人へ鋭いスルーパスを出し、チャンスを演出した。
いずれも得点には繋がらなかったが、ブラジル人アタッカーの可能性を感じさせるには十分だった。
その1週間後のJ1第27節・アルビレックス新潟戦ではアシストを記録した。相手のビルドアップで生じたミスを見逃さなかったエウベルは、パスカットからゴール前の鈴木優磨に繋ぐ。これをエースが落ち着いて決め切った。
攻撃時には個人で打開、守備時には前からのプレスを高い強度で実行できる。
今季の鹿島はここ数シーズンと比較するとハイプレスを試みるシーンが多いが、その点でエウベルのキャラクターは大いにチームを助けた。
ただ、やはり加齢の影響は見られ、試合数をこなしてゆくと同時に、守備時の強度が落ち始める。
J1第35節、上位対決となった京都サンガF.C.戦での地上戦勝率は25%にとどまった。
攻撃時にも強度の高い相手の守備に手を焼き、パスミスも目立った。幅を取りながらチャンスを窺うプレーは時折効果を発揮したが、決定機を作るには至らなかった。
京都戦は同選手がピッチを退いたあとに生まれた鈴木のゴールにより、1-1の引き分けに終わっている。
続く第36節・横浜FC戦では出番を与えられず、2-1で勝利した90分をベンチから見届けた。
とはいえ、J1で6シーズン目を戦うアタッカーは、限定的な起用法だとしても脅威である。
残り2試合となった今季、エウベルの力が必要な場面もあるだろう。
