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J1 3日前

No.1新戦力は!? 横浜F・マリノス、“大成功”補強ランキング1~5位。降格圏から奇跡の復活。救世主となったのは?

シリーズ:ベスト移籍ランキング text by 編集部 photo by Getty Images

 今季の明治安田J1リーグにおいて最大のサプライズは、横浜F・マリノスの低迷だった。シーズン中盤まで降格圏を彷徨った同クラブは、夏に大型補強を敢行。それが功を奏し、終盤に怒涛の追い上げを見せて、最終的にJ1残留を果たした。今回は、紆余曲折あったマリノスにおいて、輝きを放った新戦力をランキング形式で紹介する。[1/5ページ]
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5位:角田涼太朗(つのだ・りょうたろう)


【写真:Getty Images】

生年月日:1999年6月27日
今季のリーグ戦成績:10試合2ゴール1アシスト

 角田涼太朗にとって、今夏の横浜F・マリノス復帰は不本意なものだったかもしれない。

 それでも、同選手は古巣に対して恩返しを果たしている。

 筑波大学で頭角を現した角田は、U-20日本代表にも選出されるなど、将来有望なCBとして高い評価を受けていた。

 そして、彼はプロ選手という夢を掴む。2022シーズンからのマリノス加入が内定した。

 しかし、同選手は強化指定選手となっていた2021年に、自ら大学サッカー部を退部し、一足先にプロ契約を締結。リスクを承知で、選手として一刻でも早くレベルアップする道を選んだ。

 1年前倒しでプロの環境に適応したことで、角田は2022シーズンから即戦力として活躍。リーグ戦18試合に出場し、J1優勝に大きく貢献した。

 翌年もJリーグで高い能力を発揮すると、日本代表にも選出され、一気に注目株の選手に。彼の存在は海の向こうにも知れ渡り、2024年冬にはカーディフ・シティへの移籍を掴み取った。

 しかし、海外では苦難の日々が続く。

 カーディフからのレンタル先であるコルトレイクでは怪我が相次ぎ、満足に出場できず、不完全燃焼のまま武者修行の期間が終了した。

 レンタル元のカーディフでも居場所はなく、角田は今夏、歴史的な低迷を強いられていた古巣へと復帰することを決断している。

 この苦悩は、「ただいま! と胸を張って言うこともできない」という加入時のメッセージ(クラブ公式サイトより)からも見て取れる。

 しかし、この移籍はクラブにとってまさに渡りに船だった。

 DFリーダーであるジェイソン・キニョーネスと遜色ないCBを探すことがとても困難な中で、角田はこの要求を見事に果たしたのである。

 角田の強みは、なんといっても地上戦の強さだ。相手から楔のパスが入るや否や、鋭いタックルでボールを刈り取り、カウンターへとつなげる。

 ラインブレイクした選手にも冷静に対応し、ピンチを未然に防ぐ。ガッツあふれる守備は、マリノス復権において重要だった。

 さらに、キニョーネスとの補完性の高さも大きい。

 地上戦勝率76%(データサイト『Sofa Score』参照)と圧倒的な角田は、空中戦が大の得意であるコロンビア人CBとタッグを組むことで、マリノスの最終ラインをより強固なものとしている。

 新たに背負った背番号は、クラブのレジェンドである中澤佑二が着けた「22」。角田はこの番号に恥じない活躍を、必ず来季も見せてくれるはずだ。

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