今季の明治安田J1リーグにおいて最大のサプライズは、横浜F・マリノスの低迷だった。シーズン中盤まで降格圏を彷徨った同クラブは、夏に大型補強を敢行。それが功を奏し、終盤に怒涛の追い上げを見せて、最終的にJ1残留を果たした。今回は、紆余曲折あったマリノスにおいて、輝きを放った新戦力をランキング形式で紹介する。[3/5ページ]
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3位:ジェイソン・キニョーネス

【写真:Getty Images】
生年月日:1997年8月17日
今季のリーグ戦成績:21試合2ゴール1アシスト
ジェイソン・キニョーネスは2016年に母国コロンビアのクラブでプロデビューを果たすと、2019年には完全にチームのレギュラーとなった。
その後も同国で活躍し続け、コロンビアリーグでも屈指のCBへと成長した同選手は、今季に横浜F・マリノスへの移籍を決断している。
異国の地での初プレーとなった今季は、ハムストリングの負傷による長期離脱も影響し、最終節前の時点でリーグ戦21試合の出場に留まっている。ただ、この離脱期間が、キニョーネスのチームに与える影響力を強烈に示すこととなった。
というのも、キニョーネスが出場した試合とそれ以外の試合とでは、チームの失点率が全く異なるのだ。
出場した21試合で18失点だったのに対し、欠場した17試合でチームは27失点を許している。同選手の力がどれだけ大きいか分かるはずだ。
試合を見ると、その理由がよくわかる。
185cmの恵まれた身体を活かし、圧倒的なフィジカルで相手FWを抑え込む。特に空中戦は驚異的な強さで、空中戦勝率75%(データサイト『Sofa Score』参照)は、Jリーグでもトップクラスの数字だ。
また、フィジカル任せの守備というわけでもなく、危機察知能力も非常に優れたものがある。
1試合あたりのクリア数は2位の選手を圧倒的に引き離してのリーグトップで、キニョーネスがチームの守備の要であることが分かる。
J初挑戦のシーズンで、キニョーネスは強烈なインパクトを残した。
強さと賢さを兼ね備えたコロンビア人は、すでにマリノスの中心選手となっている。