鹿島アントラーズは6日、明治安田J1リーグ第38節で横浜F・マリノスと対戦する。2位・柏レイソルと勝ち点1差で迎えるこの最終節、鹿島は勝利すれば9季ぶりの優勝が決まる。短い期間の中で酸いも甘いも噛み分けたこのチームは、簡単には負けない力強さを身につけていた。(取材・文:加藤健一)[2/2ページ]
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「思い描いているような使われ方ではない。それでも…」
「タロウ(荒木遼太郎)やマツ(松村)というのは、自分が思い描いているような使われ方は今年あんまりなかったと思うんですけど、それでも出たときに結果を残している。そういうところはやっぱり鹿島の選手だなと思う」
ゴールという結果こそないが、荒木も確実に存在感を示している。ボールに関わった時の技術はもちろん、狭いエリアでも臆することなくパスを要求する姿勢はチームに躍動感をもたらし、長い距離を走ってボールを追う姿は、松村同様、チームにエナジーを与える。
田川亨介は体力が尽きることを恐れず走り続ける。徳田誉は虎視眈々と強気にゴールを狙い続ける。味方をサポートして縦横無尽に動く樋口雄太も帰ってきた。
鈴木やレオ・セアラであっても、足が止まればベンチに下げられる。だからこそ、彼らもペース配分を考えずに走る。そして、足が止まればバントを渡す。後半になってもテンションが下がらない。むしろ上がるのが今季の鹿島の強さを支えている。
2017年は勝ち点2差で首位に立っていたが、最終節で引き分けて得失点差で下回ったため優勝を逃した。しかし、8年前とは状況が違う。
「そのときとはなるべく比較しないようにしている。メンバーやスタイルも違うんで」(三竿)
たとえ劣勢であっても勝利を手繰り寄せる粘り強さを武器に、鹿島はこのメンバーでの“初優勝”をつかみ取る。
(取材・文:加藤健一)
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