明治安田J1リーグは6日、2025シーズンの全日程が終了した。これにより最終順位が確定したが、前評判を覆して上位躍進を果たしたクラブが存在する一方で、開幕当初の期待に比べて大きく裏切る結果で幕を閉じたクラブも存在する。今回は、今季のJ1リーグにおいてサポーターを失望させてしまったクラブを紹介する。※スタッツはデータサイト『transfermarkt』を参照。情報は12月9日時点[5/5ページ]
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名古屋グランパス
2025リーグ戦順位:16位(11勝10分17敗)
監督:長谷川健太
名古屋グランパスの2025シーズンは、16位という厳しい成績で幕を閉じた。
長谷川健太監督にとって4年目となる今季。昨季YBCルヴァンカップを制し、クラブ史上初の日本人優勝監督となった“勝負師”には、さらなるタイトル獲得が期待されていた。
しかし、名古屋は開幕から苦しいスタートを切る。
開幕6試合で2分4敗と最悪の滑り出しとなると、そのまま低空飛行を続けた。一度もボトムハーフから抜け出すことができず、残留争いに巻き込まれる結果となった。
攻守両面で精彩を欠いた部分は、来季までの宿題となるだろう。
攻撃面では期待されたアタッカー陣が鳴りを潜め、稲垣祥の得点力に頼る状況が続いた。
稲垣は今季リーグ戦でキャリア最多となる11ゴールを記録し、Jリーグ優秀選手賞を受賞。彼のMVP級の活躍がなければ、J2降格もあり得たかもしれない。
チームの得点ランキングは1位・稲垣(11得点)、2位・佐藤瑶大、マテウス・カストロ(各5得点)、3位・和泉竜司(4得点)となっており、本来ゴールを奪うことが本職ではない選手に大きく依存する形となった。
一方、守備面ではリーグワースト5位の56失点を喫した。
マッシモ・フィッカデンティ前監督が指揮を執った2021シーズンは44得点30失点という結果だったが、長谷川監督の下では失点数が悪化の一途をたどった。
2022シーズン(30得点35失点)、2023シーズン(41得点36失点)、2024シーズン(44得点47失点)、2025シーズン(44得点56失点)と推移している。
正GKとして期待されていたシュミット・ダニエルが負傷離脱するアクシデントもあったが、19歳の若きGKピサノ・アレックス幸冬堀尾の台頭や、夏に欧州から帰還した藤井陽也の存在もあり、徐々に失点を減らすことに成功。最終的に56失点に抑えた格好だ。
長谷川監督と山口素弘ゼネラルマネジャーは今季限りで退任することが発表されており、来季は名古屋にとって変革のシーズンとなる。
新体制で「風」を起こすことはできるだろうか。
【著者プロフィール:編集部】
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