2025明治安田J1リーグは、鹿島アントラーズの優勝に終わった。9年ぶりのリーグタイトル奪取に関して、多くの選手が関わった。本稿では、明確な結果を出した攻撃陣やベストイレブン当確の早川友基や植田直通のほかに、チームの立役者となった実力者をランキング形式で紹介する。※情報は12月10日時点[2/5ページ]
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4位:三竿健斗(みさお・けんと)
生年月日:1996年4月16日(29歳)
2025年リーグ成績:29試合0得点0アシスト
29歳にしてなおも成長を続けるのが三竿健斗だ。
鬼木達監督が指揮官に就任してから最もポジティブな変化を見せた選手のひとりかもしれない。
2024シーズンの途中から鹿島アントラーズに復帰加入した同選手は、長らくコンディションを上げられなかった。
今季の鬼木監督はボランチを固定せず、三竿を含めた複数の選手でローテーションさせた。
その難しい状況下で、背番号「6」はJ1リーグ第13節・横浜FC戦から定位置を掴んだと言って良いだろう。
以降の26試合中20試合でスタメン出場。攻守において多大なタスクをボランチに要求する鬼木サッカーにおいて、三竿がいかに難しい役割を担っていたかは想像にかたくない。
相手の決定機に繋がるボールロストのリスクを抱えながら、その上でバイタルエリアにも積極的に顔を出さなければならなかった。
球際の強さを強みとしていた同選手にとって、容易な仕事ではなかっただろう。
しかし三竿は中央でボールを受けて積極的に前を向き、ショートカウンターの起点としてだけでなく味方のポゼッション時にも効果的な動きを何度も見せた。
リーグ最終節の横浜F・マリノス戦はその最たる例だろう。今季ベストパフォーマンスとも言える彼の働きは、間違いなく2-1勝利の原動力となった。
相手の攻撃の芽を摘みながら、アタッキングサードへ何度もボールを供給。レオ・セアラや荒木遼太郎にパスを送り、攻撃のスイッチを適切なタイミングで入れ続けた。
前回鹿島がリーグを制覇した2016年も三竿は在籍していたが、当時は公式戦11試合出場にとどまっていた。
鹿島の一員としてJ1優勝を知るメンバーではあるが、主力としてチームをけん引し続けた今季の頂点は自身にとって意味合いが異なるかもしれない。
来年4月に30歳を迎えるMFが、新指揮官の高い要求に応えてみせた。
手探りで新たな境地に至る姿は、プロの世界に足を踏み入れて間もない若手にとっても励みになるだろう。

