現在フリーの元Jリーグ外国人監督5人【写真:Getty Images】
明治安田Jリーグの全日程が終了した今、すでに移籍市場の動きが来季の戦いに向けて活発だ。指揮官交代も珍しくない。なかでも、日本の環境を理解し、結果を残してきた外国人監督は貴重な選択肢と言えるだろう。そこで今回は現在、Jリーグ経験を持ちながら無所属となっている外国人指揮官を紹介する。※情報は12月16日時点[5/5ページ]
——————————
マッシモ・フィッカデンティ

名古屋グランパス時代のマッシモ・フィッカデンティ【写真:Getty Images】
生年月日:1967年11月6日(58歳)
国籍:イタリア
最終指導:名古屋グランパス
Jリーグ監督歴:FC東京、サガン鳥栖、名古屋グランパス
マッシモ・フィッカデンティは、Jリーグで最も成功を収めたイタリア人監督のひとりだ。
2014年にFC東京の監督として来日。Jリーグ史上初のイタリア人指揮官として注目を集めた。
FC東京では2シーズン指揮を執り、就任2年目は4位フィニッシュを達成。積み上げた勝ち点は当時クラブ歴代最多となる「63」を記録したが、シーズン終了後に退任することが発表された。
そして、2016シーズンからはサガン鳥栖の監督に就任する。
1年目はJ1で11位、2年目は8位と徐々に順位を上げたが、3年目は残留争いに巻き込まれた。成績不振により、シーズン途中の10月に契約解除となっている。
その後、フィッカデンティは2019年9月に名古屋グランパスの監督に就任する。
成績不振で解任された風間八宏監督の後任として低迷していた名古屋の立て直しに着手すると、最終的には13位でJ1残留に導いた。
降格圏が迫る厳しい戦いだったため、就任初年度から自身の色を出すことは難しかったが、2年目以降はその手腕を存分に発揮する。
2020シーズンではリーグ3位、2021シーズンはリーグ5位と上位躍進を果たした。また、2021シーズンには名古屋にクラブ史上初となるYBCルヴァンカップのタイトルをもたらしている。
組織的な守備を整備し、ショートカウンターに磨きをかけたことで、それまで残留争いに巻き込まれていたチームを激変させた。
特に、2021シーズンの名古屋は圧倒的な堅守を誇り、無失点継続時間「823分」というリーグ記録は、フィッカデンティが作り上げたチームの完成度を象徴している。
しかし、名古屋に堅守速攻という新たなアイデンティティを植え付けたイタリア人指揮官は続投が有力視されていたが、2021年12月に契約満了による退任が発表された。
以降はどのクラブの監督も務めていないが、その手腕は確かなもの。
3つのJクラブで監督を歴任した実績から考えると、新たにフィッカデンティを監督に招へいするクラブはいつ現れてもおかしくない。
【著者プロフィール:編集部】
国内外のサッカーを専門に取材・執筆・企画する編集チーム。戦術分析、ニュース報道、コラム制作からデータリサーチまで、各分野のスペシャリストが在籍しており、欧州主要リーグ、サッカー日本代表、Jリーグはもちろん、女子サッカーや育成年代まで幅広いテーマをカバーする。現地取材で得たリアルや、データを活用したユニークなコンテンツなど、読者に“今、本当に知るべきサッカー情報”を届けることを使命とし、読者に寄り添い、サッカーをより深く、より立体的に楽しめるコンテンツづくりを目指している。
Xアカウント:@foot_ch
インスタグラムアカウント:foot_ch
【関連記事】
あまりにガラガラ…。Jリーグ収容率ワーストランキング1〜5位【2025シーズン】
来季は放出!? Jリーグ、出場時間“100分以下”のタレント10人【2025シーズン】
200人以上に聞いた! Jリーグ、チャントが最高なクラブランキング1〜5位