2025明治安田J1リーグを制し、国内最多の21冠目の栄光を手に入れた鹿島アントラーズ。“常勝軍団”の歴史は一朝一夕では成立せず、リーグ初優勝を果たした1995年から現在まで、様々なレジェンドが活躍してきた。サッカーのスタイルが変遷する中で、今こそ鬼木達監督のチームで見たい選手がいる。今回は、鹿島に在籍したことのある選手の中で、現在ならばより実力を発揮できそうな選手をランキング形式で紹介する。※データは『Transfermarkt』を参照[1/5ページ]
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5位:山村和也(やまむら・かずや)
生年月日:1989年12月2日
在籍期間:2012年2月~2016年1月
通算成績:83試合6得点4アシスト
流通経済大学を経て、大卒デビュー先に鹿島アントラーズを選択した山村和也。2010年1月の大学2年時にはサッカー日本代表にも招集され、その将来を嘱望される存在だった。
鹿島加入後も即戦力として期待され、デビュー年の2012シーズンから多くの出場機会を得た。
鎖骨骨折やロンドンオリンピック(五輪)への参加などでチームを離れることはあったが、同年はCBとしてリーグ戦18試合に出場。7-0で大勝した第12節・コンサドーレ札幌(現:北海道コンサドーレ札幌)戦ではゴールも決めた。
翌2013シーズンも主力として活躍したが、岩政大樹が同年限りで退団するのを合図にポジション争いが加速。2014年に昌子源と植田直通が台頭し、出番が減少した。
2015年にはサンフレッチェ広島から韓国代表DFのファン・ソッコが加入し、山村の立場はさらに厳しいものに。
シーズン後半戦にはやや盛り返したが、翌年に当時J2を戦っていたセレッソ大阪への移籍を決断した。
当時のサッカーはCBの選手に対し、より守備的な役割が期待されていた。現代においてもその重要性は揺るぎないが、その能力に加えてビルドアップやボールキャリーも求められる。
セレッソ元年は主にボランチとして稼働し、以降はトップ下やFWまでこなした山村は様々な役割を担える選手だ。2017シーズンは8ゴール2アシストの結果を残し、攻撃面でも重要なタスクをまっとうした。
CBとして起用された際の可動域も広く、5年間在籍した川崎フロンターレでは老獪なチャレンジが随所で見られた。
同クラブではフル稼働とはいかなかったが、リーグ戦23試合に出場した2022シーズンでは最終ラインでコンビを組む谷口彰悟とのチャレンジ&カバーの精度は高かった。
周囲の選手との相性は考える必要がありそうだが、そこさえクリアできれば今のサッカーに必要な要素の多くを兼ね備える。
当時に今のCB像が確立されていれば、山村が歩むルートやトレーニングの方向性もまた違ったものだったかもしれない。

