2025明治安田J1リーグを制し、国内最多の21冠目の栄光を手に入れた鹿島アントラーズ。“常勝軍団”の歴史は一朝一夕では成立せず、リーグ初優勝を果たした1995年から現在まで、様々なレジェンドが活躍してきた。サッカーのスタイルが変遷する中で、今こそ鬼木達監督のチームで見たい選手がいる。今回は、鹿島に在籍したことのある選手の中で、現在ならばより実力を発揮できそうな選手をランキング形式で紹介する。※データは『Transfermarkt』を参照[4/5ページ]
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2位:中田浩二(なかた・こうじ)
生年月日:1979年7月9日
在籍期間:1998年1月~2005年1月、2008年7月~2015年1月
通算成績:348試合43得点3アシスト
現在、鹿島アントラーズのフットボールダイレクターとして辣腕を振るう中田浩二は、現役時代に日本サッカーに名を残す活躍を見せた。
ボランチとしてプロの世界に足を踏み入れた同選手は、約17年間のプロ生活の中で多くのタイトルをチームにもたらしている。
中学まではFWだったこともあり、若手時代から得点能力に優れ、セットプレーや流れの中から何度もネットを揺らした。
サッカー日本代表のスタメンに定着し始めた2001年には、2ステージ制だったJ1リーグで8得点をマークしている。
フィリップ・トルシエ率いるチームでは3CBの左に入り、1対1の強さや配球精度の高さを見せている。1999年のワールドユース(現:FIFA U-20ワールドカップ)以降はDFとしても頭角を現した。
続くジーコジャパンではボランチとしての起用が主だったが、以降はCBや左SBでもプレーした。
現在の強度の高いサッカーに対応するためには、チームに複数のポジションをこなせる選手が必要不可欠である。
特に2025シーズンの鹿島には最終ラインやボランチに怪我人が続出したこともあり、同クラブのファン・サポーターはその重要性を理解しているはずだ。
それだけでなく、鬼木達監督はボランチの役割として「攻守両面に貢献する」ことを度々強調している。
対人に強く、得点能力も高い中田はまさに“今欲しい”選手に当てはまるだろう。
そして今季の鹿島優勝には“中田FD”の貢献も見過ごせない。
今季から新加入の小池龍太やキム・テヒョン、レオ・セアラはチームをけん引する大活躍を見せ、シーズン途中で加わった小川諒也やエウベルも結果を出した。
適材適所を見抜き、補強が必要なポジションにそれぞれのタレントを連れてくる能力は一朝一夕では身に付かないはずだ。
そのバランス感覚は現役時のマルチプレーヤーぶりと無関係ではないように見える。

