2025明治安田J1リーグを制し、国内最多の21冠目の栄光を手に入れた鹿島アントラーズ。“常勝軍団”の歴史は一朝一夕では成立せず、リーグ初優勝を果たした1995年から現在まで、様々なレジェンドが活躍してきた。サッカーのスタイルが変遷する中で、今こそ鬼木達監督のチームで見たい選手がいる。今回は、鹿島に在籍したことのある選手の中で、現在ならばより実力を発揮できそうな選手をランキング形式で紹介する。※データは『Transfermarkt』を参照[5/5ページ]
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1位:小笠原満男(おがさわら・みつお)
生年月日:1979年4月5日
在籍期間:1998年1月~2006年8月、2007年6月~2019年1月
通算成績:703試合87得点76アシスト
現在、鹿島アントラーズのコーチ兼アカデミーアドバイザーを務める小笠原満男は、同クラブの強さを体現するような存在だ。
1998年に岩手県立大船渡高等学校卒業後、鹿島に加入。翌年にリーグ戦初ゴールを決めると、2000シーズンからレギュラーに定着した。
この頃からJリーグ屈指のゲームメイカーとして名を馳せ、2002年のFIFAワールドカップに臨むメンバーにも選出された。
若手の時にはよりゴールに近いポジションでプレーしていたが、セリエA・メッシーナへの期限付き移籍から復帰後は、ボランチとしての才能が開花する。
鋭いタックルはそれまでも度々見られたが、その判断がピッチ全体に影響を及ぼし始めた。
カウンターを食らいそうなタイミングではファウルで止め、パスの出しどころがなければ自身が苦しい状況であっても積極的にボールをもらう。
そのうえセットプレーでも相手の脅威になり、右足から供給されるクロスやシュートは何度も得点に直接関与した。
2025シーズンの鹿島は、ボランチの選手をローテーションしていた。
コンディションが優れなかった場合もあるが、“不在の際は別のチームになる”と言えるほどの絶対的存在がいなかったようにも見える。
鬼木達監督はこのポジションの選手の役割について「攻守に大きく関わる」ことを度々強調する。
小笠原について語られるとき、昨今は勝者のメンタリティなど精神面が指摘されることが多いように見える。
だが、今こそ技術やピッチ上の現象を再検証しても良い時ではないだろうか。
攻守に最適化された現在のサッカーを考えるとき、鹿島のレジェンドはむしろそういったスタイルにこそフィットするように感じられる。
【著者プロフィール:編集部】
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