明治安田J3リーグは全日程が終了し、年の瀬が近づいている。今季も躍進を遂げたクラブがあった一方で、期待に反して不調に苦しんだクラブも存在した。そこで今回は、今季のJ3リーグにおいて、ファン・サポーターの期待に十分応えられなかったクラブを振り返る。※スタッツはデータサイト『transfermarkt』を参照。情報は12月27日時点。[1/5ページ]
——————————
松本山雅FC
2025リーグ戦順位:15位(11勝10分17敗)
監督:早川知伸
かつてJ1に所属していたクラブが、現在はJ3。松本山雅FCはこのまま凋落を続けてしまうのだろうか。
松本は2021シーズンのJ2リーグで最下位に沈み、J3降格が決定。クラブ史上初のJ3挑戦となった2022シーズンは4位と、1年でJ2に復帰することは叶わなかった。
一度降格すると、簡単には抜け出せないことから、J2やJ3は「沼」と表現されることがある。松本も例外ではなく、2023シーズンは9位、2024シーズンは4位と3季連続でJ2復帰を逃した。
昨季はJ2昇格プレーオフ決勝に進むも、2点リードの終盤に失点を重ね、あと一歩のところで昇格を逃している。
ただ、もはや「あと一歩」と言っていられる段階ではない。チームはJ3に留まりすぎている。
J2復帰を懸けた4度目の挑戦となった今季も、昇格は至上命題だった。しかし結果は15位。期待を大きく裏切る形となった。
チームは第1節ギラヴァンツ北九州戦(1-2○)に勝利し、開幕白星スタートを切ったが、第2節のアスルクラロ沼津戦(1-1)に引き分けると、その後はパフォーマンスが安定せず。序盤戦以降は中位が定位置となった。
開幕から続く不穏な空気は秋になって現実のものとなり、第29節の栃木SC戦(1-1)からリーグ戦5連敗を含む7試合未勝利と低迷し、一気に順位を落とした。この間、J2昇格の可能性が消滅し、クラブが声明を発表している。
その後、ラスト4試合を2勝1分1敗と持ち直したが、大きく順位を上げることは叶わず。クラブ史上最低となるJ3・15位でシーズンは幕切れとなった。
厳しい言い方だが、今季の松本のパフォーマンスであればJ2よりもJFLの方が近い。
今月13日には菊井悠介が藤枝MYFCへの完全移籍を発表。背番号10を着用し、主将を務めていた選手が退団するということは、チームに少なからず影響を及ぼすはずだ。
来季は「昇格請負人」の異名を持つ石崎信弘氏が指揮を執ることが発表されている。

