明治安田J3リーグは全日程が終了し、年の瀬が近づいている。今季も躍進を遂げたクラブがあった一方で、期待に反して不調に苦しんだクラブも存在した。そこで今回は、今季のJ3リーグにおいて、ファン・サポーターの期待に十分応えられなかったクラブを振り返る。※スタッツはデータサイト『transfermarkt』を参照。情報は12月27日時点。[2/5ページ]
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ザスパ群馬
2025リーグ戦順位:14位(12勝10分16敗)
監督:沖田優
ザスパ群馬は昨季、悪夢のような1年を過ごした。
J2でわずか3勝に終わり、シーズンを通して最下位に沈んだ末にJ3降格。今季は汚名返上を懸けた重要なシーズンだった。
クラブは新たに沖田優監督を招へいし、「超攻撃的サッカー」を掲げて再出発を図る。得点力不足に苦しんだ昨季からの脱却が狙いだった。
開幕2試合を1勝1分と好スタートを切ったが、続く第3節のAC長野パルセイロ戦(2-3●)と第4節の鹿児島ユナイテッド戦(2-5●)ではいずれも大量失点を喫して敗北。その後も安定感を欠き、前半戦は14位となった。
後半戦でも不安定なパフォーマンスは続き、第24節の「北関東ダービー」栃木SC戦に敗れると、そこからリーグ戦5連敗を喫した。
第29節のSC相模原戦(1-1)をドローで終え、連敗ストップに成功したが、第30節のFC岐阜戦(1-2●)から3連敗。合わせて9試合0勝1分8敗となり、18位まで順位を落とした。
しかし、苦境に立たされたリーグ終盤戦で「超攻撃的サッカー」が花開く。
ラスト6試合を6連勝(16得点5失点)で消化するという、怒涛の進撃を見せ、最終的に14位まで順位を上げてシーズン終了を迎えた。
総得点数はリーグ5位の「56」を記録し、攻撃力向上に成功した。
一方で、総失点数はリーグワースト3位となる「59」を記録し、守備の安定感には課題が残った。シーズンを通して好不調の波が激しかったが、目指すサッカーの可能性を示したと言えるだろう。
ただ、手放しで喜べない。同じくJ2からの「降格組」である栃木SCと鹿児島ユナイテッドFCは、それぞれ7位、10位と上位に肉薄したが、群馬だけが下位に沈んだ事実は重い。
汚名返上はJ2昇格を手にしてようやく達成される。来季、「超攻撃的サッカー」は完成形へと近づくのだろうか。

