明治安田J3リーグは全日程が終了し、年の瀬が近づいている。今季も躍進を遂げたクラブがあった一方で、期待に反して不調に苦しんだクラブも存在した。そこで今回は、今季のJ3リーグにおいて、ファン・サポーターの期待に十分応えられなかったクラブを振り返る。※スタッツはデータサイト『transfermarkt』を参照。情報は12月27日時点。[3/5ページ]
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福島ユナイテッドFC
2025リーグ戦順位:10位(16勝8分14敗)
監督:寺田周平
福島ユナイテッドFCは今季、リーグ10位で終了した。
一見すると、このテーマで取り上げる成績ではないかもしれない。それでも、昨季の躍進を踏まえれば物足りなさは否めず、敢えて厳しい評価を下したい。
福島は昨季、寺田周平監督を招へい。同氏は川崎フロンターレのコーチやユースチームの監督を経て、福島で自身初となるトップチームの監督に就任した。
昨季はJ3で5位フィニッシュを達成し、昇格プレーオフ準決勝に進出した。惜しくもJ2昇格には届かなかったが、就任1年目から好成績を残した寺田監督の手腕は高く評価された。
そのため今季は昨季以上の躍進が期待され、昇格の有力候補として臨んだ。
しかし、攻撃と守備のアンバランスを解決できず、昇格を逃している。
第1節の奈良クラブ戦を2-2と引き分けると、第2節のテゲバジャーロ宮崎戦(1-3●)では失点を許し敗北。第3節、第4節を2連勝したものの、その後も連勝と連敗を繰り返す、安定しないシーズンを過ごした。
それでもリーグ戦ラスト4試合を4連勝し、得失点差で10位フィニッシュとなった。
今季はリーグ4位の60得点を記録した一方で、失点数はリーグワーストの67を記録したことが、攻守のアンバランスを象徴している。
第4節のFC岐阜戦(4-3○)や第27節のカマタマーレ讃岐戦(4-2○)のように大量得点で勝利した試合があった反面、第13節の鹿児島ユナイテッドFC戦(0-5●)や第17節のFC大阪戦(1-7●)のように守備が崩壊し大敗する試合もあった。
続投が決まった寺田監督にとって、来季の最大のテーマは守備の再構築だ。
課題の改善に向けて、クラブも明確なアクションを起こしており、今月24日に元韓国代表GKチョン・ソンリョンの加入を発表。経験豊富な守護神の存在は、守備陣立て直しの大きな鍵となるはずだ。

