明治安田J3リーグは全日程が終了し、年の瀬が近づいている。今季も躍進を遂げたクラブがあった一方で、期待に反して不調に苦しんだクラブも存在した。そこで今回は、今季のJ3リーグにおいて、ファン・サポーターの期待に十分応えられなかったクラブを振り返る。※スタッツはデータサイト『transfermarkt』を参照。情報は12月27日時点。[4/5ページ]
——————————
AC長野パルセイロ
2025リーグ戦順位:19位(9勝8分21敗)
監督:藤本主税
AC長野パルセイロは今季、リーグ19位でシーズン終了を迎えた。
今季のJ3は20位のみが「J3 ・JFL入れ替え戦」出場となるため、長野は辛うじて自動残留。しかし、JFLの結果次第では19位でも入れ替え戦に進む可能性があったため、まさに首の皮一枚繋がった残留となった。
新たに藤本主税監督が就任し、今季はショートカウンターを武器としたアグレッシブなサッカーを目指した。
開幕3戦は2勝1敗と昨季の低迷が嘘のような結果でしたが徐々に失速。第7節のツエーゲン金沢戦(1-3●)からリーグ戦7試合未勝利という状況に陥り、約2か月間勝利から遠ざかった。
その後、第14節の奈良クラブ戦(1-0○)で連敗ストップに成功するものの低迷を脱するには至らず。第25節の鹿児島ユナイテッド戦では6失点を許し、大敗を喫した。
特にファン・サポーターを失望させたのが、リーグ終盤のパフォーマンスだ。ラスト5試合で1ゴールも奪えず、12失点を記録。5連敗無得点という最悪の結果で今季を終えた。
最大の問題は、得点力不足だ。長野は[3-4-3]や[3-4-2-1]を基本とし、前線に人数をかけた布陣を採用しているが、攻撃は精彩を欠いた。
長野の総得点数はリーグワーストの29。ワースト2位のSC相模原が総得点38であることを考えると、あまりに少なすぎる。
複数人が連動したプレーからチャンスを作り出す狙いは見えたが、最後の局面で工夫が足りなかった。
低迷を受けて、クラブは最終節後に公式サイトで声明を発表。
「来年こそは、皆さまから『パルセイロは頑張った。』『パルセイロは良くなった。』と言ってもらえるクラブに進化させます。」(一部抜粋)と、ファン・サポーターの信頼回復への決意を示した。
来年は「明治安田J2・J3百年構想リーグ」に参戦する。昇降格がないからこそ、この特別大会では結果以上に内容で存在感を示したい。

