2025年の川崎フロンターレは、AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)で初の決勝進出という結果を残しながら、国内ではリーグ戦8位、カップ戦でも無冠に終わった。今や欠かせない存在となった左サイドバックの三浦颯太は、来る開幕を心待ちにしながら、あの舞台に立つために走る。(取材・文:加藤健一)[1/2ページ]
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忘れられないAFCチャンピオンズリーグエリートの経験
あの舞台に立った者だけが知る感覚がある。
川崎フロンターレの左サイドバック、三浦颯太にとって、昨季のAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)は特別な時間だった。アジアの頂点を懸けた大会で、川崎は決勝まで勝ち進む。その道程で、三浦は左サイドを担う主力として存在感を放ち続けた。
落ちることのない運動量。タイミングと精度を兼ね備えた左足のキック。そして、終盤になっても落ちないスプリント能力。
ACLという強度の高い舞台でも、その特長が薄れることはなく、オイルマネーに潤うスター軍団相手にも、その特徴は出せていた。
「あの舞台は、感じたことのないようなものだった」
年明けの始動日、昨季のACLを振り返った言葉は率直だった。
「忘れられないですし、その経験は本当に大きかった」
アジアの頂点を目前にして味わった緊張感。スタジアムの空気、試合ごとに高まっていくプレッシャー。それらすべてが、三浦の中に確かな爪痕を残している。
だからこそ、今季に向けての目標は明確だった。
「もう一度…」「獲らなきゃいけない」
シーズン最初のミーティングで共有された目標はシンプルだ。
「もう一度ACLEに出るために、リーグ戦を優勝する」
長谷部茂利監督が就任した昨季は8位という結果に終わった。2021シーズンまでの5年間で4度優勝したチームは、3年連続で8位という結果に終わっている。
川崎で3度目の開幕を迎える三浦も同じ思いだ。2月に開幕する明治安田百年構想リーグは、秋春制への移行に伴う約半年の短縮シーズンとなるが、目標は変わらない。
「短いシーズンですけど、獲らなきゃいけないなと思います」
優勝クラブには、2026/27シーズンのACLE出場権が与えられる。反対に、リーグ戦を勝ち抜かなければ、あの舞台には戻れない。
言葉数は多くない。だが、ACLE決勝を経験したからこそ、三浦はその目標への思いを人一倍強くしていた。
「自分ももう若くないんで」25歳の決意
昨年9月に25歳となり、U-21リーグの開幕を夏に控える川崎は、このオフに多くの若手をチームに加えた。
「自分ももう若くないんで、刺激を与えられる存在になりたい。声掛けだったり、プレーでいい影響を与えられればいい」
競争は激しくなる中、三浦は自分が担うべき役割を理解している。そして、1歳年上の山原怜音の加入は、左サイドバックの競争を激化させる。
「もちろん、競争はキャンプからバチバチにありますし、自分が試合に出られるように怪我せずいきたい」
昨季は開幕からアシストを量産したが、連戦の中でコンディションを落とした時期もあり、2度の戦線離脱も経験。コンディションがなかなか上がらない状態でプレーしていた時期もあった。
「今の方が動くと思うし、フィジカル的にも今が一番いい」と話す三浦は、来るシーズン開幕を心待ちにしていた。
「今はモチベーションも上がっていますし、キャンプが楽しみです」



