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「今の自分たちはそこが足りない」天野純が昨季最終戦で感じた差。その先に描く横浜F・マリノス再建に向けた道筋とは「本当に強い時は…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Etsuko Motokawa,Getty Images

横浜F・マリノス、天野純
横浜F・マリノスの天野純【写真:元川悦子】



 混迷を極めた2025年を経て、横浜F・マリノスは再出発のシーズンを迎える。名門としての誇りを取り戻すために、何を積み上げ、何を変えていくのか。フィールドプレーヤー最年長となった天野純は、自身の現在地と向き合いながら、チームが進むべき方向性を静かに見据えている。(取材・文:元川悦子)[2/2ページ]
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「やっぱりあいつはいい選手だし…」

横浜F・マリノスのディーン・デイビット
横浜F・マリノスのディーン・デイビッド【写真:Getty Images】

「やっぱりあいつはいい選手だし、ゴール前で点を取ることにすごく特化された選手。活かし方次第では爆発する可能性が大いにあると感じているので、僕自身もすごく楽しみですね」と背番号40は目を細める。

 ディーン・デイビッドは英語があまりできず、ヘブライ語しか喋れないということで、昨季はコミュニケーションにかなり苦労していたが、少しずつ改善の方向に向かっているという。

 海外経験のある天野は異国での適応や意思疎通の難しさを熟知している。だからこそ、より彼を後方からフォローしていこうという意欲が強いのだろう。



「僕も韓国とかベルギーを経験して、外国人選手の辛さを分かっているので、うまくいくようにサポートしていきたいですね。

 昨季終盤戦の戦い方は彼にとって少し難しいものだったと思いますけど、今はゴール前に速いタイミングで流し込んでいくケースが増えている。そこはディーンの特徴が一番出せるところなので、そういう形を増やしていきたいです」

 天野の中では、イスラエル人FWを起点とした攻めのイメージが徐々に出来上がりつつある様子だ。

名門復活へ「大事にしていきたい」こと

横浜F・マリノス、天野純

横浜F・マリノスの天野純【写真:元川悦子】

 もちろん昨季途中からチームに貢献した谷村海那も健在。さまざまな面々とうまく連係しながら、得点のバリエーションを増やしていくことが、名門再建の近道ではないか。

 守備の方は朴一圭やジェイソン・キニョーネス、角田涼太朗といった主力が健在で、キャプテンの喜田拓也がチームをしっかりと引き締めてくれるはずだ。

 そうした状況を踏まえれば、今回のJ1百年構想リーグでは、攻撃面のさらなる進化が重要になるだろう。

「ディーンを中心とした攻撃陣は、昨季序盤までのブラジル人トリオ(アンデルソン・ロペス、エウベル、ヤン・マテウス)とは違ったよさがある。



 チームとして守り、攻めていくという組織的な戦い方も整備されつつあると感じています。現代サッカーはそうじゃないと勝てない。そこは大事にしていきたいところです」

 天野が改めて強調した通り、マリノスは攻守両面で組織力を高め、敵を凌駕する戦いができる集団へと飛躍していく必要がある。

 百戦錬磨の経験値を誇る天野には、そのけん引役として力強いプレーを見せてほしい。

 35歳になる今季は彼にとって勝負のシーズンになりそうだ。

(取材・文:元川悦子)

【著者プロフィール:元川悦子】
1967年、長野県生まれ。94年からサッカー取材に携わり、ワールドカップは94年アメリカ大会から2022年カタール大会まで8回連続で現地に赴いた。「足で稼ぐ取材」がモットーで、日本代表は練習からコンスタントに追っている。著書に『U-22』(小学館)、『黄金世代』(スキージャーナル)、「いじらない育て方 親とコーチが語る遠藤保仁」(NHK出版)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)などがある。

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【了】

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