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J2 23時間前

「目的はいかに…」ジュビロ磐田の新戦術とは? 志垣良監督が真っ先に手をつけたこと。「勝たないとハッピーにならない」【コラム】

シリーズ:コラム text by 河治良幸 photo by Getty Images

ジュビロ磐田、志垣良監督
明治安田J2・J3百年構想リーグでジュビロ磐田を率いる志垣良監督【写真:Getty Images】



 2025シーズンのJ2リーグを5位で終え、J1昇格プレーオフに進出したものの、あと一歩及ばず昇格を逃したジュビロ磐田。今季は志垣良新監督のもと、J2・J3百年構想リーグ、そしてその先にある昇格を見据えた戦いに挑む。限られた準備期間の中、鹿児島キャンプで何を積み上げてきたのかをレポートする。(取材・文:河治良幸)[1/2ページ]
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志垣良監督がキャンプで真っ先に着手したこと

ジュビロ磐田、志垣良監督
ジュビロ磐田の志垣良監督【写真:Getty Images】

 ジュビロ磐田は恒例の鹿児島キャンプを終えて、J2・J3百年構想リーグに向けた仕上げの段階に入っている。

 コーチから昇格する形で就任した志垣良監督は「立ち上げて3週間なので、できることが限られている」と話す中で、真っ先に守備のベース構築から手を付けた。

 その理由について「守備の意識が高まらないと、たとえ攻撃の練習しても、攻撃の練習にならないので。ゲームでちゃんと守備しようというのも第一にありますけど、攻撃の質を上げるためにも守備の意識を普段の練習から上げていきたかった」と語った。



 言われてみればその通りなのだが、守備側の共通理解や強度を高めておかないと、練習から攻撃の質を高めていくことも難しくなる。志垣監督が掲げる“攻守一体”は言葉にすると簡単だが、何となく意識しても合間になってしまう。

 志垣監督は4-4-2の守備をベーシックな仕組みから植え付けて、局面に応じて、こうなった時はこう動くといった細かい確認を1つひとつ進めている。守備がある程度進んできたところで、攻撃を意識したトレーニングも徐々に増えている印象だ。

 その攻撃の基本システムは3-4-2-1で、守備からの可変がベースになっている。

「目的はいかに相手に…」

ジュビロ磐田 プレーオフ
昨年はJ2リーグで5位に終わったジュビロ磐田【写真:Getty Images】

 簡単に説明すると、守備から攻撃に切り替わると片方のサイドハーフ(SH)がシャドーに、もう片方がウイングバック(WB)になり、逆側はSHがWB、サイドバック(SB)が3バックの一角にスライドするような形になる。

 全体の動きに応じて、FWは一人がシャドーに、もう一人が1トップとなるわけだ。

 それが時計回りになることもあれば、反時計回りになることもあるが、守備はコンパクトに、攻撃はワイドにという志垣監督の思考を反映したシステムと言えるだろう。

 もちろん、いざ公式戦になれば、カウンターで縦に攻め切るべき状況もあれば、攻撃の形からそのまま素早く相手にプレッシャーをかけるべき状況も出てくる。



 それは百も承知の上で、志垣監督は原則になるところを丁寧に植え付けているのだ。

「システム論とかいっぱいありますけど、それも手段で、目的ではないので。攻撃面で言えば、目的はいかに相手にズレを作っていくか。

 攻撃は良い距離感で最後のシュートで終われるように。サッカーって局面で、1つひとつの判断が必要だと思います」

 試合がスタートすれば、プレーするのは選手という大前提を志垣監督も認識しているが、だからこそ基本的なプランだけでなく、シチュエーションに応じた細かい確認も順次詰めていくことによって、試合における選手の判断材料を整理して、引き出しに仕入れていくというのが、志垣監督の流儀であるようだ。

上原力也は練習試合で何を感じたのか

ジュビロ磐田所属MF上原力也

ジュビロ磐田の上原力也【写真:Getty Images】

 鹿児島キャンプの仕上げとなる清水エスパルスとのダービーでも、守備と攻撃の原則的な部分は共通理解が進んでいることが見てとれたが、特に攻撃はベーシックのところをぶつけているだけのように感じられた。

 それに関して、1本目から2本目の途中までゲームキャプテンを担ったMF上原力也はこう振り返った。

「(ボランチを組んだ)金子大毅とも話したんですけど、分かりやすく可変して守備に行く要求をしたり、攻撃の時も分かりやすくポジションを取ったりというのは、チームのイメージを合わせる上で大事な作業だから。



 公式戦になってくれば、今可変する必要があるのかとか、ハイプレスに行くのか行かないのかとか、色々あると思うけど、とりあえずキャンプでやってきたことをやってみようと。それで良い材料もあれば、修正するべき材料も出て、良かったんじゃないかな」

 もちろん、開幕の時点で基本から応用、全ての戦術的な理解を完璧にすることは不可能だし、公式戦で出てくる課題と修正点も多々あるだろう。

 昇格・降格の無い百年構想リーグは磐田に限らず、新しく監督が就任したチームは少なからず、チーム作りの時間と考えることもできる。

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