
明治安田J2・J3百年構想リーグでジュビロ磐田を率いる志垣良監督【写真:Getty Images】
2025シーズンのJ2リーグを5位で終え、J1昇格プレーオフに進出したものの、あと一歩及ばず昇格を逃したジュビロ磐田。今季は志垣良新監督のもと、J2・J3百年構想リーグ、そしてその先にある昇格を見据えた戦いに挑む。限られた準備期間の中、鹿児島キャンプで何を積み上げてきたのかをレポートする。(取材・文:河治良幸)[2/2ページ]
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競争が生むチーム内の活性化

ベールスホットに移籍した倍井謙【写真:Getty Images】
志垣監督も「割合で言うと、普段のリーグ戦だったら9-1かもしれないけど、それが8-2になるとか。GKだったらリーグ戦は固定した方がいいかもしれないけど、複数の選手を起用することも考えに出てくるかもしれない。ただ、勝たないと周りもハッピーにならない」と語る。
選手の競争に目を向けると、レンタルバックやユースからの昇格選手、新卒選手を除くと、新戦力は横浜FCから加入したセンターバックの山﨑浩介だけ。
大卒ルーキーの吉村瑠晟も特別指定選手として2年間、チームに部分合流していたこともあり、大きく戦力が変わるわけではない。
その中で名古屋グランパスからの期限付き移籍を延長していた倍井謙が、ベルギー2部のベールスホットに移籍し、攻撃的な左サイドは不安材料になっている。
大卒2年目での飛躍を違う角昂志郎など、現有戦力でも選択肢はいくつか考えられるが、選手層を考えても移籍期間中に補強をするのか、この百年構想は角をはじめユースから昇格した石塚蓮歩などに、よりチャンスを与えるのかは1つの注目点だろう。
また守備と攻撃で可変するスタイルを活かす形で、新たなポジションのトライもしている。その象徴的な存在が、高卒ルーキーの増田大空だ。
「正直あまり真剣に向き合えていない部分も…」
流通経済大柏高からジュビロ磐田に加入した増田大空【写真:Getty Images】
左SBとして、全国高校サッカー選手権でも名を上げたレフティーだが、現在は右SHにも取り組んでいる。
つまり攻撃だとシャドーかWBになる訳だが、割合としてはシャドー側になることが多そうだ。
「今まではSB以外のポジションだと、正直あまり真剣に向き合えていない部分もありました」と増田は語るが、プロの世界で成長していくために、志垣監督のリクエストにも応える形で、新たなポジションに挑んでいる。
「複数ポジションをこなせる選手の価値は高いですし、出場機会も増えると思っています。複数のポジションを経験することで、サッカー観自体が広がると思います。SHをやればSBの気持ちも分かりますし、他のポジションの経験が活きる場面もある」
そう前向きに捉える増田は、これまであまりやったことがなかったという、カットインからの左足シュートという武器の開発にも取り組んでいく意欲を見せる。
「食わず嫌いにならないというか。個人面談で話しましたけど、まずは彼の持っている左足を出したい。ただ守備の能力でまだまだなので。攻撃の能力を活かせるという部分がひとつと、違うポジションをやることで、いざ戻った時に見えてくる世界が違うと思うんですよ。
後ろの選手から、こういうコーチングあったら助かるなとか。そういうのも気づいてほしい」
志垣監督も表情を緩ませた。そうしたトライがチームに起こす変化も楽しみな要素だ。
昨シーズンは終盤に監督交代も経験した中で、プレーオフに進出しながら昇格がかなわなかった。
外部からは初となる大友健寿新社長が就任、クラブとしても新たなフェーズに入る磐田が、志垣監督の元でどんな戦いを見せるのか。
百年構想リーグでの戦いが、26/27シーズンに大きくつながっていくことは間違いない。
(取材・文:河治良幸)
【著者プロフィール:河治良幸】
東京都出身。サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』で日本代表を担当し、プレー分析を軸にグローバルな視点でサッカーの潮流を見続ける。セガ『WCFF』の選手プロフィールを担当。著書に『勝負のスイッチ』『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』『サッカー番狂わせ完全読本ジャイアントキリングはキセキじゃない』がある。X:@y_kawaji
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