サッカークラブの持つ影響力は単一の尺度で測れるものではないが、複数の指標から見えてくるものがある。今回はJ1、J2、J3の全60クラブを対象に、成績、人気、育成、売上の4つの指標を抽出して数値を組み合わせてランキング形式にした。果たして、最も“力のある”Jクラブはどこなのだろうか。ランキングの51位から60位を紹介する。※見出しの括弧内の数字は、各項目の1位(最高位)を60ポイント、60位(最下位)を1ポイントとして降順で計算した合計値。[1/5ページ]
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55位:ヴァンラーレ八戸(39)
2025リーグ戦成績:2位(J3)
2025シーズンホームグロウン人数:0人(52位タイ)
2025リーグ戦ホームゲーム平均入場者数:2,374人(57位)
2024年度営業収益:約5億3,800万円(54位)
ヴァンラーレ八戸は2025シーズンのJ3で2位となり、クラブ史上初のJ2昇格を果たした。
7位フィニッシュとなった2023シーズンを除いてJ3の2桁順位が定位置となっていた八戸の躍進は、2025シーズンの最も美しい番狂わせのひとつ。
パワーランキングの指標でも突出した項目はなく、限られたリソースで最高の結果を手にした。
経営規模はJリーグ最小クラスだ。
2024年度の営業収益は約5億3,800万円で、リーグ全体の54位。前年度から約4000万円上昇したものの、J3でも下位のチーム人件費からわかるとおり、戦力が充実しているとは言いがたい。
J3でも下位の人件費規模ながら、石﨑信弘監督体制3年目のチームは、徹底した堅守速攻で快進撃を続けた。
中盤戦で見せたクラブ新記録の7連勝は、栃木シティとの壮絶な優勝争いへと繋がり、ファンの熱狂を生んだ。
その証拠に、平均動員数は前年の1,728人から2,374人へと激増。全体順位(57位)こそ低いものの、八戸にとっては歴史的な伸び率を記録した。
しかし、予想外の躍進でたどり着いたJ2という新たなステージは、クラブにこれまで経験したことのない重圧も突きつけている。
最大の懸念はインフラ面だ。本拠地「プライフーズスタジアム」は、芝生席がカウントされない現状の規定では入場可能数が1,204人に留まる。
J2ライセンスを維持するためには、2028年までに整備計画を提出する必要がある。
2026年の八戸は、前年までヘッドコーチだった高橋勇菊が監督に就任した。
明治安田J2・J3百年構想リーグでJ2を戦う力を養いつつ、インフラ整備も急ぐ必要がある状況。八戸にとって、新たな挑戦が始まっている。

