フットボールチャンネル

J2 14時間前

「これが実力だと」ジュビロ磐田の弱みを山﨑浩介は後方から見ていた。「暗くなることがある」【コラム】

シリーズ:コラム text by 河治良幸
山﨑浩介
ジュビロ磐田でプレーする山﨑浩介【写真:Getty Images】



 明治安田J2・J3百年構想リーグ地域リーグラウンド第3節が21日に各地で開催され、ジュビロ磐田はホームで松本山雅FCと対戦した。スタートに苦労するチーム同士の戦いだったが、J2の磐田がJ3の松本に敗戦。グループBで磐田より下のチームは、暫定でJ3のみとなった。山﨑浩介は現実をしっかり見つめながら、課題を整理する。(取材・文:河治良幸)
——————————

開幕から勝ち点「3」未獲得のジュビロ磐田

ジュビロ磐田 サポーター
選手たちを鼓舞するジュビロ磐田のサポーター【写真:Getty Images】

 J2・J3百年構想リーグの第3節、ジュビロ磐田はホームで松本山雅FCに1-2で敗れた。

 新体制同士の対戦だったが、開幕3試合目にして未勝利の相手に初白星を与える結果となった。

 今年から志垣良監督が率いるチームは成長段階にあり、ポジティブな前進も見られる。

 それでも2つの失点シーン、あるいはチャンスを決めきれなかった場面に象徴されるように、公式戦という基準で見れば要所の甘さが、3試合で勝ち点2という結果につながっている事実は否定できない。



 この百年構想リーグを戦うにあたり、志垣良監督が掲げる「結果と成長」の難しさもそこにある。

 もちろん戦術的なベースは継続して積み上げていく必要があるが、どのような形を完成させようと、勝負の詰めは昇格を目指す26/27シーズンで必ず求められる。

 プロの世界において、今はベースの構築段階だから結果は気にしなくていいということはない。

 副キャプテンのひとりであり、センターバックとして最終ラインを統率する山﨑浩介もそれを認めつつ、前向きに課題へ取り組むマインドの重要性を強調する。

「バランスが崩れた時に失点している」

ファンデンベルフ 磐田
試合直前にスタメンから外れたヤン・ファンデンベルフ【写真:Getty Images】

 本来コンビを組むはずだったヤン・ファンデンベルフがアクシデントで離脱し、急きょ森岡陸が左センターバックに入った。さらに前半には相田勇樹が負傷交代し、後半早々には上原力也もピッチを去る。

 流れとしてはホームの磐田にとって、ことごとく悪い方向に振れた形だが、山﨑は「部分、部分を見たら(強度を)出せているシーンがありますけど、結果で言うと負けというのは受け止めないといけない」と語る。

 立ち上がりの失点はセットプレーの流れから。後半開始直後の2失点目は、スローインを奪われた直後のトランジションで、戻りながらの守備におけるバランスが崩れた一瞬を鋭いミドルで射抜かれた。

 シュートを決めた村越凱光に対応したボランチの上原力也が直前に足を痛める不運もあったが、攻撃から守備に転じた直後、高い位置で即時奪回できなかった場合の“下がりながらの守備”はズレが生じやすい。



 山﨑は「ちょっとバランスが崩れた時に失点している。ズレてきた時にどう修正していくか。ズレを生まないために、事前にどれだけ防げるか」と語る。

 4-4-2をベースに、相手の形やボールの位置に応じてスライドと圧縮を繰り返し、タイミングよくボールに寄せる。ロングボールに対しても跳ね返しながらセカンドボールを回収し、自分たちの攻撃につなげていく。

 その点に関しては、2トップのフィジカル能力を前面に出す松本に対しても、ほぼ綻びなく対応できていたように見える。

 しかし、試合では少なからずイレギュラーが起こる。そうした場面も含めて切り抜けてこそ、クリーンシートは完成する。

ジュビロ磐田に見る“ポジティブな兆候”

渡邉りょう
渡邉りょうのゴールで1点差に詰め寄る【写真:Getty Images】

 攻撃のミスからショートカウンターで2失点したFC岐阜戦しかり、ベースの守備を組み上げるだけでなく、イレギュラーを事前にチームで共有し、柔軟に対応していくことが求められる。

 これを練習だけで積み上げるのは容易ではないが、想定外のミスが敗戦につながってしまうのが公式戦の厳しさでもある。

 4-4-2をベースにしながら、前線から積極的に捕まえにくる松本のマンツーマン守備に対し、磐田はボランチ経由での前進を試み、中盤で剥がして前向きなパスにつなげられた場面も多くあった。これは確かな進歩だ。

「使いながら剥がせているシーンもあるので。その精度を高めていくことは必要」と山﨑。後半途中から松本に疲労が見える中、佐藤凌我のクロスに渡邉りょうが合わせる形で1点を返した磐田は、長身FWマテウス・ペイショットを起点に押し込んだ。



 前線で起点は作れたが、空中戦でペイショットが競り勝っても、そのセカンドを拾えず、畳み掛けるような攻撃の連続性が生まれなかった。

 そこには松本側の対策もあった。中盤からチームを統率するキャプテンの深澤佑太が、75分に投入された松村厳とともに、ペイショット手前のスペースを徹底して消した。

 それにより、磐田はボールを保持しながらも、本来ペイショットが得意とする足元への縦パスを入れられず、空中戦に頼る構図が続いた。押し込みながらも畳み掛けられなかった一因である。

 サッカーは相対的な競技であり、相手が良い対応をしてくれば苦しくなる。そこをさらに上回るという点で、この日の磐田には課題が残った。深澤は松本側の立場で次のように振り返る。

1 2

KANZENからのお知らせ

scroll top
error: Content is protected !!